Salesforce分析、AIエージェント活用で2025年ホリデー商戦が過去最高売上

2026年2月2日、株式会社セールスフォース・ジャパンは2025年のホリデー商戦分析を公表した。自律的に判断するAIの普及が顧客体験を刷新し、世界のオンライン小売市場の成長を支えたと報告している。
AIが牽引した過去最大の小売成長
発表された調査によると、2025年のホリデー期間における世界のオンライン売上は1兆2,900億ドルに到達し、前年同期比で7%増となった。
米国市場でも2,940億ドルを記録し、平均販売価格の上昇が続く中でも消費者の購買意欲は期間を通じて堅調に推移したと分析している。
期間終盤の12月後半2週間では、世界で12%、米国で9%と成長率がさらに拡大した。
個別商品の推薦や顧客行動を反映した対話型接客が浸透し、AIおよびAIエージェントは総売上の約20%にあたる2,620億ドルを生み出したと推計されている。
また、検索行動の変化も明確になった。ChatGPTやPerplexityなど外部AI検索経由の流入は前年比でシェアが倍増し、これらの経路から訪問した消費者はSNS経由と比較して購入率が9倍に達した。
一方、企業側ではマーケティングやカスタマーサポートなど領域ごとに導入されたAIが相互連携できず、顧客対応が分断される課題も顕在化した。
この問題に対し、Salesforceは統合基盤「Agentforce 360」を提示し、営業やコマース、サービス領域のデータを横断的に統合する構想を示している。
自律型AIがもたらす成長機会と新たな課題
今回の結果は、自律型AIが小売体験の中核に入りつつある状況を示唆している。
パーソナライズ精度の向上や対応速度の改善は、消費者満足度を高めるため、結果として売上拡大に直結しやすいと言える。
マーケティング分野では、顧客の意図を踏まえた提案型販売が広がり、企業は広告配信中心の手法から対話型コマースへとシフトしていく可能性が高い。
特にメッセージングやメールを購買完結型チャネルへ変える動きは、市場競争を一段と激化させるだろう。
一方で、AIの高度な統合に伴い、ガバナンスや権限管理の運用は複雑化すると考えられる。
個人データを横断利用する仕組みは利便性を向上させる反面、情報漏えいや誤推論が発生した場合の影響範囲が広がるリスクも残る。
さらに、統合AIに依存した購買体験が標準化すると、企業間の差別化はアルゴリズム品質やデータ活用力に集中する可能性がある。
今後は、小売市場においてテクノロジー投資が競争力を左右し、IT基盤整備の遅れが企業価値に直結する構図が強まると予測できる。
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