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    中国AI普及競争が春節で激化 アリババ、670億円投資の波紋

    アリババ集団は2026年2月2日、対話型AI「通義千問」の利用拡大を目的に、春節キャンペーンへ約670億円を投じるとロイターが報じた。中国発のこの動きは、AIサービスを巡るIT大手間の競争が新たな段階に入ったことを示している。

    目次

    アリババ、春節に30億元投入 AI利用促進で競合を圧倒

    アリババ集団は2日、同社の対話型AI「通義千問(Qwen)」の利用者数拡大を狙い、春節(旧正月)期間中のキャンペーンに30億元(約670億円)を投じると発表した。6日から、飲食や娯楽、レジャーなどに使える「紅包(お年玉に相当)」を配布する計画である。

    この投資額は、競合するテンセントや百度が表明したAI関連キャンペーン費用を大きく上回る。テンセントは10億元、百度は5億元の投資をそれぞれ先月下旬に発表しており、アリババの規模は最大でその3倍に達する。

    中国のIT企業にとって、数億人が帰省しスマートフォン利用が増える春節は、新規ユーザー獲得の最大の商機とされてきた。今回も各社は、対話型AIを生活シーンに組み込むことで、利用習慣の定着を狙う。

    背景には、AI新興企業ディープシーク(深度求索)が2025年1月に発表したAIモデル「R1」が、世界のAI市場に与えた影響がある。これを契機に、中国国内ではAI開発競争と同時に、一般消費者向けサービスの普及競争が一段と加速している。

    なお、アリババは紅包が現金配布となるのか、自社サービスで使える割引クーポンとなるのかについては明らかにしていない。一方、テンセントは現金配布を含むキャンペーンを8日から開始するとしており、施策の違いも注目される。

    AI普及は加速するか 補助金競争の効果と持続性

    今回の巨額投資は、中国におけるAIの一般消費者向け普及を一気に押し進める可能性がある。紅包を通じてAIに触れる機会が増えれば、検索や決済、ECと連動した利用が広がり、プラットフォーム全体の価値向上につながると考えられる。

    一方で、過度な補助金競争は収益性を損なうリスクもはらむ。キャンペーン終了後にユーザーが定着しなければ、巨額投資は一時的な利用増に終わる可能性がある。AIサービス単体での持続的なマネタイズは、依然として各社の課題だ。

    今後は、単なる利用促進にとどまらず、業務効率化や個人の生産性向上といった実利をどこまで提供できるかが競争の焦点となる。春節を舞台にした今回の施策は、中国AI市場が「使われるAI」へ本格的に移行できるかを占う試金石と言える。

    ※通義千問(Qwen):アリババ集団が開発する大規模言語モデル。中国語を中心に多言語に対応し、検索、EC、業務支援など幅広い用途での活用が進められている。

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