足立区、AIエージェント活用したEBPM推進へ NEC・Google Cloudと実証実験

東京都足立区は、グーグル・クラウド・ジャパンおよびNECと連携し、AIエージェントを活用した「証拠に基づく政策立案」の実証実験に取り組むと発表した。
防犯施策を対象に、将来的な他自治体展開も見据えた行政経営モデルの構築を進める。
足立区、AIエージェント活用のEBPM実証を開始
2026年2月2日、足立区は、グーグル・クラウド・ジャパン、NECの三者で、AIエージェントを活用した「証拠に基づく政策立案」の実証実験に取り組むと発表した。
実証では、NECのAI技術を導入し、区職員がAIと対話しながら政策の進捗把握や効果検証を行える環境を構築する。
行政経営の質向上と区民サービスの最適化を目的とした、全国の自治体でも例の少ない試みと説明している。
対象は、足立区が最重要施策の一つとして注力してきた防犯施策である。
実証を通じて有効性や実用性を確認した上で、防犯分野以外への展開も視野に入れ、EBPM(証拠に基づく政策立案)モデルの体系化を進める方針を示している。
あわせて、今回の実証で得られた知見を基に、他自治体にも展開可能な「次世代行政経営モデル」として確立し、地方自治体のデジタル化やEBPMの普及に貢献するとしている。
実証実験では、AIエージェントを搭載したデータ分析基盤「政策ダッシュボード」を構築する。
職員が課題を入力すると、AIが内部データと外部データを統合して分析し、現状整理や改善に向けた示唆をテキストで提示する。
マップやグラフによる可視化に加え、従来の集計・分析業務に要していた時間や分析精度の変化を定量的、定性的に検証する。
行政判断はどう変わるか EBPM実装の意義と留意点
AIエージェントを活用したEBPMの導入は、政策立案や効果検証にかかる業務負荷の軽減につながる可能性がある。
専門的な分析スキルを前提としない操作性により、職員間でのデータ活用格差を抑えられる点はメリットと言える。
一方で、AIが提示する分析結果や示唆をどの程度意思決定に反映させるかについては、慎重な検討が必要となるだろう。
複数のKPI間の関係性を推論する高度な分析は有効である反面、前提データの偏りや解釈の違いが判断に影響を及ぼすかもしれない。
そのため、AIはあくまで補助的な位置付けとし、最終的な判断責任を人が担う運用設計が不可欠だと言える。
EBPMの実装が形式的な導入にとどまらず、実質的な政策改善につながるかどうかは、現場での活用定着にかかっていると考えられる。
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