オープンAI、エヌビディア製AI半導体の推論処理性能に不満 代替模索と報道

対話型AI「ChatGPT」を手がける米オープンAIが、エヌビディア製半導体の一部に不満を抱き、推論処理向けの代替チップを模索しているとロイターが報じた。
オープンAI、推論処理で代替チップ模索か
2026年2月2日にロイターが報じたところによると、オープンAIは昨年以降、エヌビディアから供給されている最新チップの一部性能に課題を感じ、推論処理向けの代替製品を検討しているという。
これは、AIモデルの学習段階よりも、実際の運用フェーズにおける応答速度や効率を重視する同社の戦略転換が背景にあるようだ。
大規模モデルの学習用チップでは、依然としてエヌビディアが圧倒的なシェアを維持している。一方で、推論処理は新たな競争領域となりつつある。
関係者の話では、「ソフトウエア開発支援」や「外部サービスとの連携」に関する質問をChatGPTにした際のユーザーへの回答速度に、エヌビディアのハードウエアではオープンAIは満足していないという。
しかし、エヌビディアのジェンスン・フアンCEOは、オープンAIとの関係が緊迫しているとの報道について「ナンセンス」だと主張し、オープンAIへの巨額投資を計画していると改めて表明した。
オープンAIのアルトマンCEOも、エヌビディアは「世界最高のAIチップ」を製造しており、「非常に長い間、大口顧客」であり続けたいと述べている。
なお、昨年9月に表明されたエヌビディアによる最大1000億ドル規模の投資計画は、数週間で完了すると見られていたが、実際には交渉が長期化している状況だ。
AI半導体競争の分岐点 分散調達の利点とリスク
今回の報道が事実であれば、エヌビディア一強とされてきたAI半導体市場に、新たな競争軸がもたらされるかもしれない。
推論処理に特化したチップの需要が拡大すれば、用途別に最適化されたハードウエアを使い分ける流れが加速すると考えられる。
オープンAIにとって調達先の分散は、性能改善やコスト交渉力の向上といったメリットをもたらすだろう。一社依存を避けることで、将来的な供給制約への耐性も高まるはずだ。
一方で、複数アーキテクチャを併用することは、ソフトウエア最適化や運用管理の複雑化を招くリスクを伴う。
とはいえ、両社が互いに友好的なコメントをしていることから、全面的な決別に至る可能性は低いだろう。
今後は、学習と推論で役割を分けた共存関係が形成されるかが焦点となりそうだ。
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