GMO、AI前提で働く日を制度化 月1回「GMO AI Day」を始動

日本のインターネット大手GMOインターネットグループが、全パートナー(従業員)が集中的にAI活用へ取り組む「GMO AI Day」を制定した。AIを前提とした働き方への転換を明確に打ち出した形だ。
毎月第4木曜日をAI活用の定着日として運用
GMOインターネットグループは2026年1月29日より、毎月第4木曜日を「GMO AI Day」と定め、全パートナー(従業員)が集中してAI活用に取り組む日として運用を開始した。
本施策により、AIを業務の前提条件として捉えることで、組織全体をハイパーオートメーション化(※)させることを目指す。
同社は2013年からビッグデータ解析基盤を構築し、金融データ分析やAI研究を進めてきた。2022年のChatGPT登場以降は「AIで未来を創るNo.1企業グループへ」を掲げ、グループ全体でAIの業務活用を加速させている。
2025年12月時点の調査では、生成AIの業務活用率は96.2%に達し、1人当たりの月間業務削減時間は46.9時間となった。
こうした実績を踏まえ、2027年11月までにAIを軸とした組織変革を完遂するため、「GMO AI Day」が制定された。
当日は、得た知見・スキルの社内還元、AIと“伴走”しながらの業務分解・効率化、AIエージェントを活用した業務の自動化、非エンジニア向けリスキリング施策「虎の穴」の受講などが行われる。
形式的なイベントではなく、日常業務を直接変革する実行の場として位置づけられている点が特徴だ。
※ハイパーオートメーション:生成AIやRPA、AIエージェントなど複数の自動化技術を組み合わせ、業務プロセス全体を継続的に最適化する概念。単なる省力化にとどまらず、業務設計や意思決定の高度化まで含む。
AI実践日の制度化がもたらす効果と今後の課題
GMO AI Dayの最大のメリットは、AI活用を個人任せにせず、全社共通の行動様式として定着させようとしている点だろう。
定期的な実践日を設けることで、部署間のスキル格差が是正され、AI活用の成功事例が横断的に共有されやすくなりそうだ。
また、「AI前提で仕事をする」姿勢を制度として明示することは、人材育成や採用面でも競争力を高める可能性がある。AI活用能力が評価軸として明確になれば、変化への適応力を備えた人材を惹きつけやすくなるだろう。
一方で、制度が固定化することによる形骸化リスクも無視できない。
参加そのものが目的化し、業務改善や生産性向上に結びつかなければ、期待された効果は限定的になるかもしれない。
成果を定量的に測定し、改善サイクルを回し続けることが重要になりそうだ。
とは言えGMOの試みは、日本企業におけるAI活用が実験段階から本格運用へ移行しつつあることを象徴する動きと言える。
今後、同社が実効性を継続的に示すことができれば、類似モデルが他社に波及することもありそうだ。
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