アップル、AI基盤でグーグルと連携 次世代Siri強化を明言

米アップルは、AI分野でグーグルと連携する方針を明らかにした。あわせて、2026年度第1四半期決算を発表した。
ティム・クックCEOはアナリスト向け説明会で、次世代の「パーソナライズされたSiri」に言及し、基盤モデルの強化にグーグルのAI技術を採用すると説明した。
アップル、AI基盤でグーグル技術を採用
2026年1月29日、アップルはアナリスト向け説明会で、AI戦略に関する質疑に応じた。
ティム・クックCEOは、AIに関するグーグルとの連携について問われ、「グーグルのAI技術が我々の基盤モデルにとって最も有能な基盤を提供すると判断した」と回答した。
2026年に登場予定の“パーソナライズされたSiri”は、この協力関係によって強化されるとしている。
さらに、クック氏は、アップルとしてオンデバイス処理とプライベートクラウド(※)を活用する従来の方針を継続すると説明した。
業界最高水準のプライバシー基準を維持する姿勢に変更はないとしている。
AI処理における重点については、デバイス側とクラウド側の双方が重要であるとの認識を示した。
あわせて、同日の1月29日にアップルは2026年度第1四半期(10〜12月期)の決算において、iPhoneが第1四半期として過去最高の売上を記録したと発表した。
製品別では、iPhoneが前年同期比23%増の852億6900万ドルとなったほか、サービス売上も前年同期比14%増で四半期として過去最高を更新している。
地域別でも全てのエリアで過去最高の売上を記録した。
※プライベートクラウド:利用者のデータを暗号化した状態でクラウド処理を行う仕組み。事業者が内容を直接把握できない構造を採り、AI活用とプライバシー保護の両立を目的としている。
両立型AI戦略がもたらす利点と課題
アップルが示した「デバイスとクラウドの両立」というAI戦略は、ユーザー体験と信頼性のバランスを重視した判断と捉えられる。
オンデバイス処理は即応性やデータ管理の面で優位性があるため、プライバシーを重視するアップルの思想と整合性が取れるのだろう。
一方、クラウド側では大規模なAIモデルを活用できるため、機能拡張の余地が広がりそうだ。
グーグルのAI技術を基盤モデルに取り込むことで、次世代Siriの性能向上が期待される点はメリットといえる。
特に、自然言語処理や文脈理解といった領域での強化は、利用価値の向上につながる可能性がある。
一方で、基盤技術を外部と共有することは、差別化や自律性の面で課題が残ると考えられる。
次世代Siriは、AI競争が性能だけでなく設計思想や運用方針でも競われる段階に入ったことを示す事例と言える。
今後、アップルが自社技術と外部技術をどのように組み合わせ、プライバシー基準を保ちながらAI機能を進化させていくのかが注目点となりそうだ。
関連記事:
米アップル、SiriをAIチャットボットに刷新 OS中核で巻き返す生成AI戦略












