東京都、顔認証で「手ぶら決済」実証 荻窪の路線バスで運賃支払いの新しい仕組みをテスト

2026年1月26日、東京都は、顔認証によるキャッシュレス決済を路線バスで検証する実証事業を開始すると発表した。
対象は都内・荻窪地区の一般路線で、公共交通の利便性向上と運転士負担の軽減を狙う。
荻窪の路線バスで顔認証決済を試験導入
今回の実証は、顔をかざすだけで運賃を支払える「顔認証キャッシュレス決済」を、通勤・通学など日常利用の多い路線に導入し、実運用での有効性を検証するものだ。
実証期間は2026年2月2日から3月17日までで、対象路線は関東バスの荻51系統となる。
対象運賃は大人運賃230円で、3月1日以降は240円に改定される。定期券や小児・障害者割引は対象外だ。
事業は運行事業者の関東バスと、調査・検証を担う三菱総合研究所が連携して実施する。
ICカードを持たない利用者や訪日客にも対応可能な決済手段として、顔認証の実用性を見極める狙いだ。
参加登録方法は、専用サイトにアクセスし、登録することで可能になる。利用規約への同意と、認証用の顔写真の撮影、提出が必要だ。
乗車に当たっては、運転席付近の端末をタッチし、顔を端末に向けることで、認証する必要がある。
顔認証で乗車した場合、運賃は登録クレジットカードから引き落としとなる。
利便性向上と個人情報管理、両立が課題に
顔認証決済が定着すれば、乗客は財布やカードを取り出す必要がなくなり、乗降時間の短縮が期待される。運転士にとっても支払い確認の負担が減り、人手不足が深刻化するバス業界の省力化に資する可能性がある。
一方で、顔画像という高度な個人情報を扱う点には慎重な対応が求められる。本実証では、取得したデータは目的限定で管理するとしているが、本格導入となれば利用者の心理的抵抗や制度設計の透明性が問われるだろう。
実証結果を踏まえ、他路線や他事業者へ展開できるかは未定だ。利便性とプライバシー保護のバランスをどう取るかが、今後の普及を左右する分岐点になると考えられる。
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