べゾス氏のブルーオリジン、衛星通信網テラウェーブ構想発表 5408基計画

2026年1月21日、米国の宇宙企業ブルーオリジンは、人工知能(AI)時代の大容量通信需要を見据えた衛星通信ネットワーク構想を発表した。
創業者ジェフ・ベゾス氏の主導により、政府や企業、データセンター向けの高速通信基盤を宇宙空間に構築する計画だ。
ブルーオリジン、5408基の衛星で高速通信網を構築
米アマゾン創業者のジェフ・ベゾス氏が率いるブルーオリジンは21日、通信ネットワーク「テラウェーブ」を構築するため、5408基の人工衛星を低軌道に配備する計画を明らかにした。
配備開始は2027年第4四半期を予定しており、データセンター、政府機関、企業利用を主な対象とする。
テラウェーブは、光通信技術を利用した設計を採用し、地球上のどこでも最大毎秒6テラビットの通信速度を実現することを目標に掲げる。
この水準は一般的な消費者向け通信を大きく上回り、大規模データ処理や国家レベルのシステム運用も視野に入れることが可能だ。
ブルーオリジンは、最大で約10万の顧客への提供を想定している。
人工衛星通信市場では、スペースXが展開するスターリンクがすでに約1万基の衛星を運用し、先行する立場にある。
低軌道に多数の衛星を展開する方式は、従来の静止衛星と比べて通信遅延が少なく、冗長性と接続品質を高められる点が特徴だ。
AIインフラ需要を取り込む一方、競争とリスクも顕在化
今回の構想は、AI活用の急拡大によって生じる通信需要の構造変化と重なる。生成AIや大規模言語モデルの運用には、膨大なデータ転送と計算資源が必要であり、地上インフラだけでは限界が指摘されてきた。
宇宙空間を活用した通信網は、地理的制約を受けにくい次世代インフラとして、政府やグローバル企業にとって魅力的な選択肢になり得る。
一方で、数千基規模の衛星配備には巨額の初期投資が必要であり、運用コストや宇宙ごみ(スペースデブリ)問題への対応が課題になると考えられる。
さらに、スターリンクが先行する市場で差別化を図れるかは不透明で、価格競争や顧客獲得を巡る競争激化が予想される。
ベゾス氏は、宇宙空間にデータセンターが設置される未来について、今後10〜20年で一般化するとの見通しを示している。
テラウェーブはその過渡期を担う通信基盤として位置づけられる可能性があるが、AI時代の中核インフラとなるかどうかは、技術の実装力と事業継続性に大きく左右されるだろう。
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