JPYC、開発者向けテスト用トークン即時取得ツール「JPYC Faucet」を提供開始

2026年1月19日、JPYC株式会社は日本円ステーブルコイン「JPYC」の開発者向け支援ツール「JPYC Faucet」の提供開始を発表した。テスト用トークンを即座に取得でき、短期間で安全にシステム検証できる環境整備を目的としている。
JPYC Faucetが開発初期段階の検証を効率化
JPYC株式会社はテストネットワーク上での検証用として、無償でテスト用JPYCを取得できる「JPYC Faucet」の提供を開始した。これにより事業者は実際の資金を動かさずに、決済フローや業務システムへの組み込みを短期間で検証可能になる。
従来、新規サービスやシステムにJPYCを導入する際、開発者はテスト用トークンの確保に手間をかける必要があった。「JPYC Faucet」はこの課題を解消し、プロトタイプ段階から迅速な動作検証を可能にする。
具体的には、サービス設計段階での技術検証、社内検討・PoC(概念実証)、パートナー企業との共同検証に活用できる。
同ツールは、Ethereum Sepolia、Polygon Amoy、Avalanche Fujiの主要テストネットワークに対応しており、ウォレット接続だけで即時にテスト用JPYCを取得できる仕組みである。
実際の資金を動かす前に、残高照会、送付、受領などJPYCの基本機能を安全に確認できる点も特徴である。
利用に際しては、利用規約や契約締結前交付書面兼説明書、プライバシーポリシーへの同意が必要だ。また、ネットワーク手数料として各テストネットのネイティブトークンが別途求められる。
同社は資金移動業の法的枠組みを前提に、安心して利用できるステーブルコイン基盤の整備を進めており、今後も周辺ツールの拡充を通じてJPYCの導入を検討する事業者を支援する姿勢を示している。
即時取得ツールの影響と開発現場への波及効果
「JPYC Faucet」の導入は、国内ステーブルコインの利用促進やエコシステム拡大に寄与する可能性が高い。事業者は開発段階での失敗リスクを低減できるため、新規サービスや決済システムの試行が活発化すると考えられる。
また、複数のテストネットワークに対応していることは、異なるブロックチェーン間の互換性やマルチチェーン運用の検証に寄与するだろう。
これによりJPYCを組み込むアプリケーションの設計自由度が広がり、国内外の事業者にとって参入しやすい環境が整う可能性がある。
一方で、無償でトークンを取得できる利便性が、誤用や不正利用のリスクを伴う点は留意が必要だ。アクセス制御や取得上限の運用が不十分だと、テストネットワークの負荷や運用上の混乱につながる恐れがある。
総じて、「JPYC Faucet」は開発者に新たな実験環境を提供するだけでなく、国内ステーブルコイン(※)の実用事例やデジタル金融サービスの創出に波及効果をもたらす可能性がある。運用体制の整備次第で、エコシステム全体の発展につながると言える。
※ステーブルコイン:法定通貨に価値が連動する暗号資産で、価格変動が小さく決済手段として利用しやすい特徴を持つ。
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