札幌市、AI除排雪で冬の防災を高度化 路面判断が人手依存から転換へ

2026年1月19日、北海道札幌市はAIを活用した効率的な除排雪の仕組み構築に向け、最新の研究成果を紹介した。札幌市と札幌市立大学、防災科学技術研究所が連携する取り組みだ。
札幌市、車載映像AIで路面状態を16段階評価
札幌市は、冬の防災対策と除排雪作業の効率化を目的に、AIを用いた路面状況判定技術の研究成果を公表した。
2026年1月19日に開かれた冬の減災をテーマとするシンポジウムで、具体的な技術内容が紹介された。主催は札幌市、札幌市立大学、防災科学技術研究所雪氷防災研究センターの三者である。
テレビ北海道の報道によると、研究では、ごみ収集車などのダッシュボードにスマートフォンを設置し各地域を撮影しているという。その映像をAIが解析し、積雪の深さや圧雪の状態を自動判定するアプリの開発を進めているとのことだ。
判定結果は路面状態を16段階に分類し、地図上に表示される仕組みとなる。さらに、路面だけでなく、路肩に積み上がった雪山の高さや、それによって道路幅がどの程度狭くなっているかも評価可能だ。
防災科学技術研究所雪氷防災研究センターの中村一樹センター長は、道路管理の担い手不足が進む中で、この技術が業務の効率化に寄与すると指摘する。情報共有が迅速化されることで、判断を早期に下せる点に期待を寄せた。
札幌市は、こうした研究成果を今後の雪対策に活用していく考えを示している。
効率化の切り札か、新たな負担か AI除排雪の展望
AIを活用した除排雪判断は、自治体の雪対策を質的に変える可能性を持つと考えられる。経験や勘に依存してきた路面評価がデータ化されれば、除排雪の優先順位付けや人員配置を合理的に行えるようになるだろう。豪雪時の初動対応が早まることで、交通障害や事故リスクの低減につながるとみられる。
一方で、導入には慎重な検討も必要そうだ。映像データは天候や夜間走行の影響を受けやすく、AI判定の精度を安定的に保つための検証が欠かせないだろう。
加えて、システム導入や運用にかかるコスト、既存の道路管理体制との役割分担も課題となりうる。
それでも、人手不足が深刻化する寒冷地自治体にとって、AI除排雪は有力な選択肢と言える。札幌市での取り組みが実用段階に進めば、同様の課題を抱える他都市への展開も視野に入るだろう。
冬の防災を支える基盤技術として定着するかどうかは、今後の実証と改善の積み重ねにかかっていると言える。











