ソニーと東急建設、集合住宅の遮音を実証実験 テレワーク等の課題対応へ

ソニーネットワークコミュニケーションズコネクトと東急建設は、集合住宅の自住戸内で「人の声」を抑える高遮音化技術の実証実験を開始すると発表した。
国内の保有物件でテストルームを設け、オンラインゲームやテレワークの生活音の課題に対応する。
実住戸にテストルーム設置し検証
2026年1月19日、ソニーネットワークコミュニケーションズコネクト株式会社と東急建設株式会社は、集合住宅における自住戸内居室間の高遮音化技術について、実建物での実証実験を開始すると発表した。
両社が共同研究で開発を進めてきた技術を、東急建設が保有する物件の住戸に導入したテストルームで検証する。
背景には、自宅での多人数参加型オンラインゲームやテレワークの浸透により、住戸内の生活音を取り巻く環境が大きく変化した点がある。
一方、集合住宅の自住戸内における居室間の遮音性能には明確な基準がなく、実態を十分に考慮した設計手法が確立されていないと両社は課題を整理している。
この課題解決に向け、両社は2024年に共同研究契約を締結し、高遮音化技術の研究開発と新たな住まいの在り方の検討を続けてきた。
東急建設技術研究所の施設を活用したモックアップ環境では、集合住宅の居室を模擬し、一定の遮音性能などを確認したという。
今回の実証は、研究段階から一歩進み、実環境における有効性を検証する。
両社は本実証の成果を踏まえ、現在施工中の新築マンションへの導入を予定している点も明らかにした。
実証期間は2026年2月1日からで、場所は東京都大田区および千葉県柏市の東急建設保有物件としている。
検証内容は、居室間の遮音性能の確認と音響的課題の抽出、遮音性能を活用した新しい住まいの機能性と快適度合いの評価、施工手順や工期、コストの検証などである。
本技術は「人の声」と「自住戸内」に特化し、従来の防音室と比べて建設コストを抑え、室内空間をほとんど狭めない設計を特徴とする。
出入口に段差がなく、一般的な居室に近い使用感も狙う。
静穏な住環境を標準化できるか
実証の狙いは、オンラインゲームや配信、テレワークといった利用シーンが重なっても、同一住戸内で快適に過ごせる環境を実現する点にあると言える。
人の声に特化した遮音性を確保しつつ、室内を狭めず段差も設けない設計は、集合住宅における日常性を損なわない点で優位性があると考えられる。
一方で、居室間遮音に明確な基準が存在しない現状では、どの水準を性能として示すかが今後の論点になる可能性がある。
実住戸では設備や開口部など条件差も大きく、遮音欠損部の処理方法や設計の再現性が重要になるだろう。
主観評価を含む快適度の検証結果次第では、設計や施工方法の見直しが求められる場面も出てくることが予測される。
施工性とコスト検証の結果は、導入範囲や価格設定にも影響を及ぼすことになり得る。
信頼性、実用性、経済性を同時に成立させられるかが、高遮音住宅を社会実装する上での分岐点になりそうだ。
ソニーネットワークコミュニケーションズコネクト株式会社 プレスリリース
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