田川市が自治体主導Web3を公開 市民参加と官民連携促進の交流基盤を整備

福岡県田川市は、自治体が主体となって管理・運営するデジタル交流プラットフォーム「TAGAWA Digital Connect」を公開した。地域政策とブロックチェーン技術を結びつける新たな取り組みである。
田川市、自治体主体のWeb3プラットフォームを公開
2026年1月19日、田川市は地域内外の人々がデジタル上でつながる交流基盤として「TAGAWA Digital Connect」を公開した。地方自治体が主体となり、管理から運営までを担うWeb3プラットフォームは自治体初(キリフダ調べ)とされる。
プラットフォームの構築およびブロックチェーン技術の提供はキリフダ株式会社が支援している。
同市では、都市部との情報格差や多世代間のつながりの希薄化が課題となってきた。
特に若年層の地域活動への参加が減少しており、これに対応する新たな関わりの手段としてWeb3技術の導入が選択された。
本プラットフォームでは、市や地域活動への参加実績にひもづくNFTとして「デジタルたがわ民証」やデジタルバッジが発行される。イベント参加や活動履歴が記録され、個人の関心分野や行動履歴を可視化できる設計となっている。
現在は市内の複数イベントで参加証明NFTの発行が始まっており、今後は対象となる活動やイベントの種類を拡大していく方針だ。
加えて、市民自らがNFTを発行できる仕組みの構築も予定されており、段階的な機能拡充が示されている。
可視化が生む参加促進と自治体運営の課題
本取り組みのメリットとして、市民の参加状況や貢献度をデータとして把握できる点が挙げられる。
行政はイベントごとの反応や継続参加の傾向を分析しやすくなり、施策改善や予算配分の検討に活用できる可能性がある。参加の「見える化」は、政策評価の精度向上にもつながるだろう。
一方で、操作や仕組みの理解が進まなければ、参加者が特定層に偏る恐れがある。
結果として、デジタル活用に積極的な市民とそうでない市民の間で、参加体験に差が生じるリスクも考えられる。
また、NFTやインセンティブの設計次第では、活動の量が重視され、質の評価が難しくなる可能性もある。自治体が主体で運営する以上、評価基準やルールの透明性を継続的に確保することが不可欠だろう。
それでも、行政自らがWeb3を実装段階で運用する意義は大きいとみられる。市民参加を制度として組み込む新しい地域運営モデルを示しており、他自治体が検討する際の重要な参照事例となり得る。
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