Anthropic、インドAI市場へ本格進出 元Microsoft幹部起用でOpenAIと競争激化

2026年1月、米AI企業Anthropicがインド市場への本格進出を開始した。バンガロールに初の現地拠点を開設し、元Microsoft India幹部を責任者に迎えると16日に発表した。急成長するインドAI市場で、OpenAIなどとの競争が新たな局面を迎えている。
Anthropic、インド拠点開設と責任者人事を発表
Anthropicは2026年初頭、インド・バンガロールに現地拠点を開設し、同国での事業展開を本格化させた。あわせて、インド事業のマネージングディレクターにIrina Ghose氏を任命している。Ghose氏はMicrosoft Indiaでマネージングディレクターを務めた実績を持ち、約30年にわたり技術業界で要職を歴任してきた人物だ。
今回の人事は、インド企業や政府機関との関係構築を加速させ、現地ニーズに即したAIソリューションを提供する狙いがある。特に、企業向けコーディング支援に強みを持つ生成AI「Claude(※)」への需要拡大を見据え、開発者や大企業向けの導入支援体制を強化する。
Anthropicは教育、医療、農業といった分野での責任あるAI活用を重視し、多言語・多文化環境への対応や開発者コミュニティとの協業も推進するとしている。これにより、ブランド認知と顧客基盤の拡大を図る考えだ。
※Claude:Anthropicが開発する生成AIモデル。安全性と倫理性を重視した設計を特徴とし、企業向けのコーディング支援や業務利用で評価を高めている。
巨大市場インドで激化するAI競争の行方
Anthropicのインド進出は、同市場を巡る競争環境が変化しつつあることを示唆している。
すでにOpenAIは、ChatGPTの低価格プラン投入やニューデリーでの拠点設置計画が報じられており、利用者獲得やエコシステム構築を重視しているとみられる。
インドは利用者規模の大きさに加え、グローバル展開の実験場としての重要性が高まりつつある。
Anthropicにとってのメリットとして考えられるのは、急成長が続く市場で早期にポジションを確立できる点や、責任あるAIを軸とした差別化である。
一方で、価格競争や人材獲得競争が激化するリスクも無視できず、低価格戦略を取る競合に対し、付加価値をどこまで訴求できるかは課題になり得る。
今後は、現地パートナーとの連携や公共分野での実証事例の積み重ねが、競争優位性を左右すると考えられる。
インド市場での成果は、Anthropicのグローバル戦略全体にも影響を与える可能性があり、AI業界の勢力図を占う試金石になると言えそうだ。
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