東京都、電子版母子手帳を実証 マイナカード連携で子育てDX加速

2026年1月15日、東京都は、妊娠・子育て支援の利便性向上を目的に、電子版母子健康手帳の機能実証を開始した。
GovTech東京と連携し、都内自治体での本格展開を視野に入れた取り組みとなる。
東京都、電子版母子手帳の機能実証を開始
今回の実証は、東村山市民を対象に、電子版母子健康手帳の保護者にとっての有効性を検証するものだ。
実証では三つの機能を検証する。
第一に、妊娠週数や子どもの月齢に応じ、必要な行政支援情報をプッシュ配信する仕組みだ。利用者は制度を自ら探す負担が減り、適切なタイミングで情報を受け取れる。
第二に、マイナンバーカードを用いてマイナポータル経由で健診や予防接種等の記録を取得することが可能になる機能だ。
デジタル庁が開発した情報連携基盤であるPublic Medical Hub(PMH)等から情報を得ることができる。
第三に、自治体が配布してきた子育て資料を電子化し、スマートフォンで整理・閲覧できる機能も実証される。
実証期間は2026年3月末までで、成果を踏まえ都内全域への展開が検討される予定だ。今回の電子版母子健康手帳を利用できるのは実証期間中のみであり、利用を検討している人は注意が必要だ。
実証に参加するには、東村山市の公式ポータルサイトである「たのしむらやまポータル」に、マイナンバーカードを利用して登録する必要がある。
マイナンバーカードを所持していない場合は、東村山市役所窓口での本人確認をすることにより、対面認証が可能だ。
子育てDXの前進と個人情報管理の課題
電子版母子手帳は、子育て世代の情報取得格差を縮小する点で大きな意義を持つ。制度を「探す行政」から「届く行政」へ転換する試みであり、東京都が掲げるデジタル行政改革の象徴とも言える。
一方で、マイナンバーカード連携には慎重論もある。母子保健情報は極めて機微性が高く、セキュリティ対策や運用透明性が十分でなければ利用者の不安を招く可能性がある。実証段階でどこまで信頼性を確保できるかが、今後の普及を左右するとみられる。
また、実証は一自治体に限られており、高齢者やデジタル機器に不慣れな層への配慮も課題となる。紙の母子手帳を継続併用する方針は、移行期の現実的な対応と言えるだろう。
都内全域への展開が実現すれば、子育て支援の標準モデルとなる可能性がある。今回の実証は、利便性と安全性の両立という日本の子育て支援のデジタル化において、意義深いテストになると考えられる。
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