山梨県、県公式サイト検索をAI化 ChatGPT連携で行政情報の探し方が変わる

2026年1月15日、株式会社アイアクトは山梨県公式Webサイトの検索機能に、生成AIと連携したAI検索サービス「Cogmo Enterprise 生成AI」を2026年1月9日に導入したと発表した。
山梨県、公式Webサイト検索に生成AI「Cogmo」を本格導入
山梨県は、県公式Webサイトのサイト内検索にアイアクトの「Cogmo Enterprise 生成AI」を導入し、2026年1月9日から運用を開始した。
自然文で質問できるAI検索と、生成AIによる回答提示を組み合わせた仕組みで、県民が必要な行政情報に迅速にたどり着ける環境を整える。
導入の背景には、公式サイトに集積された情報量の増大がある。
制度案内や各種申請、防災・医療情報などが分散し、従来のキーワード検索では目的のページに到達しづらいという課題があった。
情報探索に時間を要する状況は、県民の利便性低下だけでなく、職員への問い合わせ増加にもつながっていた。
CogmoはIBM watsonxを活用した文書検索と、ChatGPTを用いたRAG(検索拡張生成)(※)機能を備える。複数ページを横断して情報を抽出・要約し、検索結果と回答文を同時に表示する点が特徴だ。
導入にあたっては初期調整や運用支援も提供され、ノーコードで管理できる体制が整えられている。
※RAG(検索拡張生成):外部文書を検索し、その結果を基に生成AIが回答を作成する仕組み。事実性を担保しやすく、行政・企業分野で活用が進んでいる。
行政AI検索の可能性と課題 利便性向上の先にある責任
生成AI検索の導入は、行政情報へのアクセス障壁を下げる有効な手段の一つと考えられる。
専門用語や制度名を正確に把握していなくても質問できるため、高齢者やデジタルに不慣れな層にとっても利用しやすい環境が整う可能性がある。
問い合わせ対応の負荷が軽減されれば、職員の業務効率化や自治体運営全体の生産性向上に寄与することも期待される。
一方で、生成AIが提示する回答の扱い方には慎重さが求められる。
要約された情報は利便性が高い反面、前提条件や例外的な扱いが十分に反映されないケースも想定される。
行政情報においては正確性と説明責任が重要であり、利用者が元ページを確認できる設計や、適切な運用ルールの整備が今後の運用上の課題となるだろう。
今後、こうしたAI検索の活用が広がれば、行政Webにおける情報提供の在り方は段階的に変化していくと見られる。
「探す」ことを前提とした構造から、「尋ねる」ことを起点とする設計へ移行する動きが進めば、AIを前提とした情報設計の重要性は一層高まると考えられる。
山梨県の事例は、その方向性を示す先行的な取り組みの一つとして位置付けられる。
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