OpenAI、セレブラスと巨額半導体契約 AIインフラ競争は新局面へ

2026年1月14日、米AI大手OpenAIは、半導体スタートアップのセレブラス・システムズと複数年の演算能力供給契約を締結したと発表した。米国発のニュースで、生成AIの高速化と大規模インフラ拡充を同時に進める動きとなる。
OpenAI、750MW分の演算能力を確保 セレブラスと長期契約
OpenAIは、セレブラス・システムズから最大750メガワット相当の演算能力提供を受ける複数年契約を結んだ。両社が14日に公表した共同声明によると、AIモデル運用時の応答時間短縮を主目的とし、インフラ構築は2028年にかけて段階的に進められる。データセンターはセレブラス側がホストを担う。
契約条件の詳細は明らかにされていないものの、事情に詳しい関係者によれば契約規模は100億ドル(約1兆5800億円)を超えるとされる。OpenAIにとっては、演算能力の拡張を目的とした大規模データセンター投資の一環であり、既存のGPU中心体制を補完する意味合いも大きい。
セレブラスは、巨大な単一チップ(※)を用いる独自の情報処理手法で知られ、GPU大手エヌビディアとは異なるアーキテクチャを採用する企業だ。近年は技術普及と収益安定化を狙い、データセンター事業にも本格参入しており、OpenAIとの契約は性能実証と資金調達の両面で象徴的な案件となる。
※巨大単一チップ:複数チップを組み合わせず、1枚の大規模シリコン上で演算を行う方式。高速処理が特徴。
高速化がもたらす成長と集中リスク AI基盤の行方
今回の合意により、生成AIの「体感速度」が向上する点は、主要なメリットの一つと考えられる。
応答遅延は業務利用やエージェント型AI(※)の実装において大きな制約となってきた。
演算能力の大幅な増強は、リアルタイム性が求められる用途の拡大を後押しし、AIの利用範囲を一段と広げる可能性がある。
また、演算基盤の選択肢が多様化することは、市場環境に一定の変化をもたらす要因になり得る。
GPU一強構造に対し、異なるアーキテクチャが実運用で採用されれば、価格競争や技術革新が促進されるとの見方もある。
セレブラスにとっても、主要AI事業者を顧客に持つことが、成長戦略を進める上での足がかりとなる可能性がある。
一方で、巨額契約による資源集中には慎重な見方も必要だ。
OpenAIが特定の供給元への依存度を高めた場合、将来的なコスト上昇や供給制約が経営判断に影響を及ぼす可能性がある。セレブラス側も、特定顧客への依存が高まることで、事業運営の柔軟性が制約される懸念は残る。
それでも、AI需要が中長期的に底堅く推移するとの見方が強い中で、演算インフラへの先行投資が競争力に影響を与えるとの指摘は多い。
今回の提携は、AIを支える基盤が電力・半導体・資本を巻き込む大規模な投資領域へと拡大しつつある状況を示す事例の一つと言える。
※エージェント型AI:目標に基づき自律的に判断・行動するAIシステム。
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