QPS研究所、みずほ銀行主導で62億円の融資契約を締結 準リアルタイム地球観測体制を強化

QPS研究所は、衛星コンステレーション構築の設備投資資金として総額62億円のシンジケートローンを2026年1月30日に締結すると発表した。
契約期間は5年3カ月で、みずほ銀行が融資を取りまとめた。国内における小型SAR衛星事業の拡大を支える大型の資金調達だ。
62億円の協調融資で衛星投資資金を確保
2026年1月14日、QPS研究所は、株式会社みずほ銀行を中心に、複数の金融機関と総額62億円のシンジケートローン(※)契約を2026年1月30日に締結すると発表した。
今回の契約は、予め定めた一定期間でのタームローン方式を採用し、総額62億円を複数の金融機関が分担して融資する。
融資を取りまとめたのは、みずほ銀行で、あおぞら銀行、商工組合中央金庫、三井住友信託銀行、福岡銀行、JA三井リース、佐賀銀行、伊予銀行、西日本シティ銀行、肥後銀行、豊和銀行、筑邦銀行が参加する。
期間は5年3カ月とされ、長期的な設備投資に対応する枠組みである。
QPS研究所は、従来のSAR衛星と比べて質量約1/20、コスト約1/100を実現した高精細小型SAR衛星「QPS-SAR」を開発し、昼夜や天候に左右されにくい地球観測データを提供してきた。
2025年には新たに6機を打ち上げ、2026年1月時点の運用機数は9機となり、観測頻度とデータ提供能力は大きく向上している。
自然災害の頻発や地政学情勢の緊張を背景に、地表状況を短時間で把握できる観測データの、防災や減災分野におけるニーズが高まっている。
QPS研究所は2028年5月末までに24機体制を構築し、最終的には36機による平均10分間隔の観測サービスを目指すという。
また同社は、2025年12月からはホールディングス体制へ移行し、海外展開を含む事業拡大を本格化させている。
※シンジケートローン:複数の金融機関が共同で実行する融資方式。
資金調達は追い風 実行局面のリスクも
今回の協調融資は、衛星の製造や打上げ計画を前倒しし、コンステレーション構築を確実に進めるための重要な基盤になると考えられる。
複数金融機関による融資はリスク分散の観点でも合理的であり、長期投資を伴う宇宙ビジネスとの親和性は高い。
観測頻度が向上すれば、防災・減災対応の高度化やインフラ監視、海洋・国境監視などへの応用が広がる可能性がある。
一方で、計画の進捗は打上げスケジュールや運用の安定性に左右されるだろう。
ロケット打上げの遅延や衛星不具合が生じれば、サービス開始時期や収益計画に影響を与えかねない。
借入による資金調達である以上、金利環境の変化やキャッシュフロー管理も重要な課題となりそうだ。
地球観測市場では、技術面の優位性に加え、計画を着実に実行する体制を構築できるかどうかが事業拡大に影響を与える要素となるため、今後の動向が注目される。
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