花王がヘアケア初のサブスク開始 個別最適化で顧客体験はどう変わるか

2026年1月14日、花王株式会社は頭皮と髪の解析に基づくサブスクリプション型ヘアケアサービスを開始すると発表した。国内向けの取り組みで、個々の状態に合わせた継続提案を通じ、従来の商品販売モデルを転換する狙いがある。
花王、解析データ活用の個別ヘアケアを定期提供
花王は2026年3月2日から、同社のヘアケア事業で初となるサブスクリプションサービス「THE ANSWER PROGRAM」を開始する。
頭皮と髪の状態を解析し、利用者ごとに最適なケアプランと専用製品を定期的に届ける仕組みで、提供は花王公式オンラインショップ「My Kao Mall」に限定される。
本サービスの中核となるのが、花王独自の皮脂RNA研究を応用した「肌遺伝子モード」の活用だ。素肌画像やセルフチェック情報を基に頭皮と髪を多角的に分析し、計16タイプのヘアタイプに分類する。
解析結果はLINEを通じて通知され、利用者は自身の状態を把握できる。
プログラム専用として、シャンプーやトリートメント、頭皮用エッセンス、アウトバストリートメントの4カテゴリーで各2種類、計8品を新規開発した。
45日周期で2品から4品まで選べる3プランを用意し、価格帯は5,940円から9,900円(税込)に設定されており、いずれも解析結果に基づく組み合わせで届けられる。
花王は2024年以降、感情ニーズを軸にしたブランド再編を進めてきた。
今回の取り組みは「THE ANSWER」ブランドの位置付けを明確にし、製品販売にとどまらない継続型サービスへの移行を象徴する施策として位置付けられている。
個別最適サブスクがもたらす価値と課題
本サービスの最大のメリットは、利用者が感覚や評判に頼らず、自身の状態に基づいたケアを継続できる点だろう。データに裏付けられた提案は、選択肢過多に悩む層にとって安心材料となり、ブランドへの信頼感を高める効果も期待できる。
花王側にとっても、定期的に得られる利用データは研究や商品改良に活用できるメリットがありそうだ。顧客との接点が単発購入から長期関係へと変化すれば、需要予測や在庫管理の精度向上にも寄与するとみられる。
一方で、解析や提案の精度が体感価値に直結する点はリスクとなるかもしれない。
期待した効果を実感できなければ解約につながりやすく、継続率の維持が課題となるだろう。
また、価格水準が一般的な市販品より高めである点も利用層を限定する要因になり得る。
今後、パーソナライズ型サブスクが定着すれば、ヘアケア市場全体でサービス競争が加速する可能性がある。花王の試みは、日用品メーカーが顧客体験を軸に価値を再定義する一つのモデルケースとなるかもしれない。
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