日本の宇宙系スタートアップスペースデータ、サウジに宇宙・AI拠点設立 日・サウジ大学連携で社会実装を推進

2026年1月13日、日本の宇宙系スタートアップであるスペースデータは、11日にサウジアラビア・リヤドで開催された日・サウジ閣僚投資フォーラムにおいて、同国および日本の大学と連携し、宇宙やAIなど先端技術の研究・実装拠点を設立すると発表した。
中東における実装志向の国際連携として注目できる。
スペースデータ、サウジで宇宙・AIの国際研究拠点を設立
今回の発表では、スペースデータがサウジアラビアのアルファイサル大学イノベーションセンター、ならびに東京工科大学デザイン学部と三者間MOU(覚書)を締結し、「Deep Tech & Space Innovation Lab」が設立された。
拠点はアルファイサル大学内に設けられ、宇宙、AI、デジタルツイン(※)分野における研究、人材育成、実証、事業化を一体で推進する。
このラボは、大学に蓄積された研究成果を実社会での活用まで見据えて展開する実装志向の国際連携スキームとして位置付けられる。
アルファイサル大学は研究環境や実証フィールドの提供、関係省庁との調整を担い、東京工科大学はAI・デジタルツイン分野の教育・研究の中核を担う。
スペースデータは、自社のデジタルツインおよび宇宙関連技術を活用し、研究成果を社会実装・事業化へと導く役割を果たす。
研究成果は、政府機関や公共分野のパートナーと連携した実証プロジェクトへ展開される計画で、サウジアラビア研究開発イノベーション庁(RDIA)の支援制度を活用する方針だ。
研究開発から導入、標準化、スケールまでを一気通貫で進める体制を構築する。
※デジタルツイン:現実世界の都市や設備、環境などをデジタル空間上に高精度で再現し、シミュレーションや予測、最適化に活用する技術。近年は都市開発、防災、宇宙分野での応用が進んでいる。
中東市場で広がる可能性と、国際連携に伴う課題
本取り組みは、研究開発力の強化や高度人材育成を掲げるサウジアラビアの国家戦略「サウジ・ビジョン2030」と整合的であり、日本の先端技術が中東の社会課題解決に直接関与する足掛かりとなりそうだ。
特にデジタルツインは、都市計画、防災、インフラ管理など国家規模の分野と親和性が高く、高インパクトな社会実装が期待される。
メリットとしては、政府支援を背景にした実証環境の整備や、公共分野への導入可能性の高さが挙げられる。大学を核とした人材育成と研究の循環は、持続的な技術移転にも寄与するだろう。
一方で、異なる制度や文化圏をまたぐ共同研究では、知的財産管理やガバナンス設計、規制対応が複雑化するリスクもある。
それでも、教育・研究・実証・事業化を一体で設計した本モデルは、日本のディープテック企業にとって海外展開の先行事例となり得る。
今後の成果次第では、同様の連携が他地域へ広がる可能性もあり、国際的な技術エコシステム形成の試金石となりそうだ。
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