富士フイルムBI、ペルソナAIのβ版提供 広告企画支えるマーケティングDX

2026年1月8日、富士フイルムビジネスイノベーションは、国内向けにマーケティングDXを支援する新機能「ペルソナAI」のベータ版提供を開始した。対象は「Revoria Cloud Marketing AD」または「WEB」を契約する企業で、月15回まで利用可能としている。
「Revoria Cloud Marketing」にペルソナAIを追加
同社が提供する「Revoria Cloud Marketing」は、集客から顧客獲得までのマーケティング業務を一元管理するクラウド型プラットフォームである。
広告配信、効果測定、改善を統合した構成を採り、分断されがちな業務フローの効率化を図ってきた同サービスに、今回新たにAIを活用した企画支援機能が追加された。
新機能「ペルソナAI」は、日本の人口分布統計データを学習したAIモデルを基盤としている。年齢や性別、家族構成、世帯年収などの属性を用いた仮想アンケートを実施し、数百から数千件規模の回答を想定した分析を行う仕組みとなる。
生成されたペルソナに対しては、広告キャッチコピーや検索キーワード案が複数提示される。従来は担当者の経験や勘に依存しやすかった広告文案作成を、データ起点で進められる点が特徴で、専門的なノウハウを持たない企業でも活用しやすい設計となっている。
さらに本機能は広告配信機能と連携し、企画立案から配信、分析、改善までを同一基盤で扱える。商品情報を登録するだけで利用可能とされ、事前のデータ整備を前提としない点も明示された。
業務標準化を進める一方、創造性低下の懸念も
AIがペルソナ設計を担うことで、マーケティング業務の標準化と効率化が進む可能性がある。
調査設計や仮説構築にかかる時間が短縮されれば、施策立案までのスピードは大きく向上するだろう。特に、属人化が課題とされてきた領域に再現性を持ち込める点は、大きなメリットといえる。
一方で、AIが提示するペルソナや広告案に過度に依存すれば、ブランド独自の視点が弱まる恐れもある。数値的に最適化された提案が、必ずしも企業の戦略や世界観と一致するとは限らない。
また、統計データに基づく分析は平均像の把握に優れる反面、ニッチ市場や新興トレンドへの対応力に制約が生じやすい。新規事業や尖った商品ほど現場感覚とのすり合わせが不可欠であり、AIの結果を検証するプロセスが求められるだろう。
それでも、企画初期の試行錯誤を高速化するツールとしての価値は高いと考えられる。
AIを意思決定の代替ではなく、補助的な企画パートナーとして位置付けられるかどうかが、今後の活用成否を左右することになりそうだ。
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