中国AIユニコーン智譜が香港上場 LLM開発企業として世界で初めて上場に成功

2026年1月8日、中国の人工知能(AI)ユニコーン企業「智譜(Zhipu AI)」が香港証券取引所に上場した。
大規模言語モデル(LLM)を開発する企業としては世界初の上場事例とみられ、生成AI産業と資本市場の関係に転換点をもたらしている。
智譜、LLM企業として世界初の上場を実現
中国の智譜は1月8日、香港証券取引所に株式を上場した。公開価格は1株116.2香港ドルで、初値は120香港ドルと公開価格を上回って取引を開始している。
取引時間中には一時10%超上昇し、終値は131.5香港ドル、公開価格比で13.17%高を達成した。
この結果、同社の時価総額は約578億9000万香港ドルに達し、日本円換算で約1兆1680億円となった。
智譜は2019年に設立された清華大学発の生成AI企業で、創業者の唐傑教授はAI研究において国際的評価が高い。。
独自開発の大規模言語モデル「GLM」シリーズを展開しており、最新世代は「GLM-4.7」となる。コード生成や論理推論などの分野で高い性能を示し、複数のベンチマークでも上位に位置付けられている。
事業モデルの中心は、API経由でLLMを提供するMaaS(※)である。企業向けのカスタマイズ導入やオンプレミス対応を主な収益源とし、中国メディア「証券時報」によれば、2025年の売上高は1億ドルを超えたという。
※MaaS(Model as a Service):クラウドを通じてAIモデルを提供し、利用量や契約に応じて課金するサービス形態。
生成AI上場の先例に 成長期待と競争激化の影
智譜の上場は、生成AI企業が研究開発段階から、資本市場で評価される事業体へと移行しつつあることを示している。
MaaSを軸としたB2Bモデルは収益の予測可能性が比較的高く、投資家にとって理解しやすい構造だ。今回の成功は、他のLLM企業にとっても上場を現実的な選択肢とする後押しになる可能性がある。
一方で、LLM開発は計算資源や人材への投資負担が重く、競争激化による価格下落リスクを抱える。
さらに、中国企業である智譜は、データ管理や安全保障を巡る規制動向の影響を受けやすい立場にある。規制環境次第では、海外展開や評価に制約が生じる可能性も否定できない。
それでも、LLM企業が上場企業として市場の審査を受ける前例が生まれた意義は大きい。
今後は、技術力に加えて収益性とガバナンスを備えた企業のみが生き残る局面に入ると考えられ、智譜の中長期的な業績と株価動向は、生成AI産業全体の試金石となりそうだ。
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