白井市のデータセンターAI開発許可巡り訴訟、4棟計画の用途解釈が焦点

2026年1月8日、千葉県白井市で進むデータセンター(DC)建設計画を巡り、近隣住民が市の開発許可取り消しを求めて提訴した。AI需要を背景にDC整備が急拡大する中、都市計画と住環境の衝突が改めて浮き彫りになっている。
白井市DC計画、用途区分を巡り開発許可の是非が争点に
訴訟を起こしたのは、白井市富ケ谷地区に隣接する地域に住む弁護士である。問題となっているのは、約13.2ヘクタールの敷地にデータセンター4棟を建設する計画で、高さは最大約40メートルになる見込みだ。白井市は2025年11月に開発許可を出したが、これが違法だとして千葉地裁に提訴された。
原告側は、データセンターが建築基準法上「事務所等」に分類されるケースが多い点に疑義を呈する。実態としては、建物の大部分をサーバーや電気設備が占め、人の常駐は限定的であるため、「倉庫」や変電設備を備える「工場」に近い用途だと主張している。
白井市が定める地区計画では、事務所の建設は認められている一方、倉庫や工場は用途制限の対象となる。このため原告は、市が用途解釈を拡大し、裁量権を逸脱した開発許可を行ったと訴える構図だ。
今回の計画を巡っては、近隣住民から日照権への影響や住環境の悪化を懸念する声も上がっている。市は取材に対し、訴状が届いていないとして現時点でのコメントを控えており、今後は司法判断の行方が注目される。
AIインフラ拡大の光と影 制度見直しが論点となる可能性
データセンター建設は、AIやクラウドの普及を支える基盤的なインフラの一つとして位置づけられており、自治体にとっては企業誘致や税収増につながる可能性がある。
地方や郊外に立地することで、都市部が抱える電力供給や用地制約を回避できる点は、事業者側の利点と受け止められている。
一方で、建物の大規模化に伴う景観の変化や日照への影響、非常用発電設備の騒音などが、住民生活に一定の負荷を与えるとの懸念も指摘されている。
用途区分を「事務所」として扱う現行制度について、実態との乖離を問題視する声が出ている背景には、計画内容や判断基準が十分に共有されていないとの受け止めがあると考えられる。
今回の訴訟の行方によっては、データセンターの法的な位置づけや、地区計画の運用を巡る議論が改めて活発化する可能性がある。
AI時代の成長を支えるインフラ整備を進める上では、経済合理性に加え、住民合意をどう形成するかが、今後より重要な論点となっていくだろう。
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