Space BD、山形大学の超小型衛星開発を伴走支援 人材育成プログラム「HURDLES」を初提供

宇宙関連サービスを手がけるSpace BD株式会社は、国立大学法人山形大学と超小型人工衛星「ベニバナ・サット」プロジェクト支援業務の契約を締結したと発表した。
日本国内における大学主導の衛星開発を対象に、技術支援と人材育成を一体で提供する取り組みとなる。
Space BD、山形大学と衛星開発支援契約を締結
2026年1月8日、Space BDは、山形大学が進める「超小型人工衛星(ベニバナ・サット)プロジェクト支援業務(令和7年度)」について、同大学と契約を締結したと発表した。
契約に基づき、Space BDは衛星開発の初期段階から設計、試験、審査対応、官辺手続きまでを含む技術的な伴走支援を行う。
あわせて、打上げ機会の調査や手配も担い、開発から打上げまでを一貫して支援する体制を整える。
ベニバナ・サットプロジェクトは、山形大学の「ソーシャル・イノベーションDX寄附講座」を基盤とし、超小型人工衛星の開発、製造、運用までを行う産業創出型の取り組みである。
山形の産業振興や人材定着、地域活性化を目的に掲げ、2028年度までの開発および打上げ完遂を計画している。
本契約では、Space BDが新たに設計した衛星開発教育プログラム「HURDLES」を山形大学に初めて提供する点も含まれる。
同プログラムは、内閣府が定める宇宙スキル標準(※)に準拠し、未経験者でも衛星開発プロジェクトを推進できる知識と技能を体系的に習得できる内容としている。
※宇宙スキル標準:内閣府が策定した、人材育成を目的とする指針。宇宙分野に必要な知識や技能を職種別、レベル別に整理し、教育や研修設計の共通基盤として活用されている。
技術伴走と人材育成が示す地方宇宙産業の可能性
本取り組みのメリットは、衛星開発を単発の研究活動で終わらせず、地域に技術と人材の両方を残す点だろう。
開発工程と教育を同時に進めることで、大学関係者や学生、地元企業が共通の開発プロセスを理解し、将来的な自律運用につなげやすくなる。
地方大学を起点にした宇宙人材の育成モデルとして、他地域への横展開も想定される。
一方で、外部支援への依存度が高まる場合、プロジェクト終了後の自走力確保が課題となる可能性がある。
限られた期間内で、どこまで設計思想や判断基準を内部に定着させられるかが重要になるだろう。
また、教育プログラムが汎用的であるほど、個別ミッションへの適合には追加の調整が必要となる点も留意すべきだ。
今後は、ベニバナ・サットの進捗とあわせ、HURDLESを通じて育成された人材が地域内でどのような役割を担うかが注目される。
技術支援と人材育成を一体化した今回の枠組みは、地方発の宇宙産業創出に向けた一つの実証ケースになると言える。
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