JR東日本、Suicaデータ活用の「駅カルテ イベントレポート」販売開始

2026年1月8日、JR東日本はイベント開催時の駅利用状況を分析できる新レポート「駅カルテ イベントレポート」の販売を開始した。首都圏約600駅を対象に、性別年代別の来訪人数や滞在時間を把握可能で、自治体や企業のマーケティングに活用できる。
イベント時の駅利用動向を可視化する新レポート
「駅カルテ イベントレポート」は、従来の月別利用状況に加え、特定日や駅単位でのイベント時の人流を詳細に把握できる統計レポートである。
イベント当日の駅利用者数、性別・年代別の人数、滞在時間帯ごとの分布、来訪駅別の人数などを集計しており、イベントの正確な効果測定に活用可能だ。
条件設定は1日単位から30分単位まで細かく指定でき、スポーツ大会や花火大会、商業施設のセールなど多様な用途に対応する。また、Suica利用者の登録情報を活用し、属性情報を精度高く反映している点が特徴である。
レポートは首都圏約600駅を対象とし、2017年以降のデータを抽出可能で、1レポートあたり15万円で提供される。
販売はメール送付または専用WEBサイトからダウンロード形式で行われ、株式会社ジェイアール東日本企画、株式会社日立製作所、株式会社サーベイリサーチセンターを通じて購入できる。
個人情報保護にも配慮しており、統計作成時には識別可能性を下げる加工を行うほか、希望者にはデータの除外対応も実施する。
JR東日本はSuicaデータの安全な活用を通じ、地域のまちづくりや顧客サービス向上など多角的な価値創造を目指すとしている。
イベント分析データの活用で商業戦略や地域運営に変化も
今回のレポートの最大の利点は、イベント効果を定量的に検証できる点だろう。
来訪者の性別・年代や滞在時間に基づく分析は、広告や商品企画のターゲティング精度を高め、商業施設の営業時間調整や飲食店の仕入れ計画の最適化にも寄与すると考えられる。
また、地域レベルでは駅周辺の人流パターンを把握することで、交通安全対策や都市計画への応用も期待できる。特に大規模イベント時には、混雑緩和策や警備計画の策定が容易となり、運営負荷の軽減につながるだろう。
一方で、詳細な人流データの活用はリスクも伴う。
解析結果を誤って解釈すると、過剰な集客施策や混雑管理の不備につながる恐れがある。データの精度や解釈に慎重を期する必要があるため、導入時には運営側のノウハウが求められるだろう。
今後は、レポートの活用範囲が拡大することで、イベントの効果測定だけでなく、地域経済の活性化や生活利便性の向上につながる可能性が高い。自治体や企業の戦略立案における重要なツールとして定着することも十分に考えられる。
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