日立システムズと八洲電機、生成AI向け直接液冷システムを保守まで一体提供

株式会社日立システムズと八洲電機株式会社は、データセンター向けに直接液冷システムの共同提供を開始したと発表した。
生成AIの普及で高発熱化が進む国内データセンターを対象に、導入から保守までを包括的に支援する。
直接液冷システムを販売から保守まで共同提供
2026年1月7日、日立システムズと八洲電機は、Cool IT Systems社製の直接液冷システムについて、販売、据え付け、試運転、保守サービスを共同で提供開始したと発表した。
八洲電機および八洲ファシリティサービスが担う現場での据え付けや修理対応に、日立システムズが持つ全国約300カ所のサービス拠点と24時間365日の受付・一次駆けつけ体制を組み合わせた点が特徴である。
本サービスは、生成AIやHPC(※)向けの高性能サーバー普及に伴い、データセンターでの発熱量が増加し、従来の空冷方式では対応が難しくなっている状況を背景としている。
直接液冷は冷却効率に優れる一方、冷却水の品質管理や配管点検、水漏れ防止など、専門的な保守作業が不可欠とされてきた。
両社は役割分担として、障害発生時の受付と一次点検を日立システムズが担当し、その後の修理対応を八洲ファシリティサービスが行う体制を構築している。
採用事例として、大阪および東京のデータセンターに新設されたデル・テクノロジーズ製の水冷サーバーで本サービスが、据え付けから試運転までを完了し、2026年1月から保守サービスを開始している。
※HPC:高性能計算。大量データを高速処理する計算基盤。
運用負担軽減で生成AI基盤導入を後押し
直接液冷システムを導入から保守まで一体で提供する体制は、データセンター運営者にとって運用負担の軽減につながると考えられる。
専門知識を要する保守業務を外部に委ねられることで、人材不足が課題となっている現場でも高性能サーバーの導入を進めやすくなる可能性がある。
一方で、液冷システムは空冷に比べ設備構成が複雑であり、長期運用におけるコスト管理や責任分界の明確化が重要となるだろう。
特定の製品や保守体制への依存が進めば、将来的な更新や構成変更の柔軟性が制約される懸念も否定できない。
今後、生成AI向けインフラ需要が拡大する中で、こうした包括型サービスが普及すれば、直接液冷は一部の先進事例にとどまらず、国内データセンターの標準的な選択肢となる可能性がある。
その定着には、運用実績の蓄積とコスト・信頼性の透明化が鍵を握ると言える。
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