インテル新AIチップ「パンサーレイク」発表 高性能ノートPC市場は再編へ向かうか

2026年1月5日、米半導体大手インテルは、米ラスベガスで開幕するCESに合わせ、ノートPC向け新型AIチップ「パンサーレイク」を発表した。
18A初採用「パンサーレイク」を正式発表
インテルが公開した「パンサーレイク」は、「インテル・コア・ウルトラ・シリーズ3」として展開される高価格帯ノートPC向けプロセッサーである。最大の特徴は、同社が「18A」と呼ぶ次世代製造プロセス(※)を初めて量産製品に投入した点にある。
PCグループ担当上級副社長のジム・ジョンソン氏は、新たなトランジスタ構造と給電システムを採用したことで、前世代比約60%の性能向上を実現したと説明した。AI処理能力の強化により、生成AIや高度な画像解析を端末側で実行できる点が強調されている。
また、パンサーレイクは独立したグラフィックス・チップレット構成を採用しており、用途に応じた拡張性も特徴とされる。インテルは同設計をベースに、2026年中に携帯ゲーム機向けプラットフォームを発表する計画も明らかにした。
リップブー・タンCEOは、本製品が「2025年に18Aを採用した最初の製品を出荷する」という約束を果たすものだと述べた。前世代チップ「ルナーレイク」の多くがTSMC製造だった流れからの転換点と言える。
※18Aプロセス:インテルが開発する次世代半導体製造技術。トランジスタの微細化と新構造を組み合わせ、高性能化と低消費電力化を同時に実現することを目指している。
巻き返しの武器か、リスクも抱える次の一手
パンサーレイクの投入は、インテルにとって技術面に加え、戦略面でも一定の意味を持つ取り組みと位置付けられる。
自社最先端プロセスでAI対応CPUを量産できる体制が整えば、AMDに奪われてきた高性能ノートPC市場において、信頼回復につながる可能性がある。
特に、AI処理をクラウドに依存せず端末側で完結させたい企業ユーザーにとっては、有力な選択肢となり得る。
一方で、リスクが残る点も否定できない。
18Aは初採用の製造技術であり、量産段階での歩留まりや供給安定性には不確実性が伴う。高価格帯ノートPCに限定した展開が続く場合、市場全体への波及効果は限定的にとどまる可能性もある。
さらに、CESではAMDのリサ・スーCEOが次世代PCチップを発表する可能性が指摘されており、AI性能や電力効率を巡る競争が一層激しくなる展開も想定される。
パンサーレイクがインテル復権の決定打となるか、それとも過渡期を象徴する製品にとどまるかは、今後1〜2年の市場評価を見極める必要があるだろう。
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