アストロスケール、防衛省と約10億円契約 自国衛星の監視・防御技術を研究

株式会社アストロスケールホールディングスの日本子会社である株式会社アストロスケールは、防衛省から「軌道上での自国衛星の監視・防御技術に関する研究」を受注したと発表した。
契約金額は約10億円で、実施期間は2025年12月から2028年3月までとなる。
2025年2月の契約に続く防衛省向け案件で、日本の宇宙安全保障に関わる研究開発が進められる。
防衛省、把持機構研究をアストロスケールに委託
2026年1月5日、アストロスケールは、防衛省より「軌道上での自国衛星の監視・防御技術に関する研究(把持機構(※))」の契約を受注したと発表した。
契約金額は約10億円で、実施期間は2025年12月から2028年3月までとされている。
本研究は、軌道上で自国衛星を検査する場合や、運用継続のために補助衛星がドッキングする際に必要となる把持機構の技術開発を目的とする。
自国衛星に関する事前情報が限定的なケースや、把持後に衛星が意図せず動く状況など、静止軌道上で想定される複数の条件下でも安定した把持を可能にする汎用的な機構の設計と、地上での実証が行われる。
背景として、防衛省は2025年7月に「宇宙領域防衛指針」を策定し、宇宙領域における防衛能力強化の方向性を示した。
同指針では、衛星の継続的な運用を支える「機能保証(Mission Assurance)」が柱の一つと位置付けられている。
通信、観測、測位といった衛星サービスが社会基盤として重要性を増す中、各国が衛星の機数増加や能力強化を進め、宇宙を巡る国際競争が激化している状況も示されている。
※把持機構:軌道上で対象となる衛星を安定してつかみ、点検やドッキングなどの作業を行うための装置や仕組み。対象の事前情報が限られる場合でも安全に把持できる設計が求められる。
衛星機能保証を支える技術基盤の評価
本契約の意義は、衛星の監視や防御に必要な要素技術を、民間企業が担う点にある。
把持機構の研究が進展すれば、衛星の点検や運用支援といった機能保証の選択肢が広がり、防衛分野における対応力の向上につながる可能性がある。
一方で、把持や接近を伴う技術は高い精度と安全性が求められ、設計や運用を誤れば衛星損傷やデブリ発生のリスクを伴う。
特に静止軌道は重要衛星が集中する領域であるため、慎重な技術検証と運用ルールの整理が欠かせないだろう。
今後は、地上実証で得られた成果をどの段階で軌道上の実証へとつなげるかが焦点となりそうだ。
アストロスケールは2025年2月にも防衛省から関連契約を受注しており、複数案件を通じて技術検証を重ねることで、宇宙安全保障分野における民間活用の実効性が試される局面に入ると考えられる。
株式会社アストロスケールホールディングス 日本連結子会社における軌道上での自国衛星の監視・防御技術に関する研究(把持機構)に係る防衛省との契約獲得に関するお知らせ
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