楽天、「楽天市場」アプリに「Rakuten AI」搭載 個々に最適化された買物体験を提供

2026年1月5日、楽天グループ株式会社は「楽天市場」のスマートフォンアプリにエージェント型AIツール「Rakuten AI」を搭載したと発表した。ユーザーの購入ニーズに応じた商品提案を可能にする国内向け施策である。
「Rakuten AI」搭載で楽天市場が対話型ショッピングに進化
楽天は自社の「楽天市場」アプリにエージェント型AIツール「Rakuten AI」を組み込み、対話を通じて最適な商品を提案する仕組みを導入した。
ユーザーはアプリのホーム画面右下からアクセスでき、テキスト、音声、画像の入力により、希望予算や購入目的、活用シーンなどを反映した商品検索が可能となる。
このAIコンシェルジュは、ユーザーが回答する質問内容から潜在的なニーズを把握し、約5億点に及ぶ商品群から条件に合った商品を抽出する。
商品情報は価格や仕様だけでなく、気候や流行、社会情勢などのトレンドも含めて提示されるため、ユーザーはより包括的な情報に基づいた購買判断ができる。
楽天はさらに、同社が運営するEコマースサービスから得られるマーケティングデータを活用し、提案精度の向上を図る方針である。ユーザーごとにカスタマイズされた商品情報を提供することで、パーソナライズされた買物体験を強化する狙いだ。
「Rakuten AI」の搭載は、楽天が掲げる「AI-nization」の取り組みの一環であり、AI技術を通して日常生活の利便性向上と「楽天エコシステム」内サービスへの接続を進める重要なステップと位置づけられる。
AI搭載が広げる利便性と課題、購買体験の変化
Rakuten AIの導入は、ユーザーの購買効率や満足度を向上させる明確なメリットを持つ。個々のニーズに応じた商品提案によって、購入判断がスムーズになり、購買機会の拡大につながると見られる。
また、ディスカバリー型提案はユーザーの潜在的興味を引き出し、新たな市場需要の喚起に寄与することも考えられる。
一方、AI推奨の偏りや過剰依存といった課題も存在する。アルゴリズムの傾向によって特定ジャンルや人気商品が優先され、新しい商品との出会いが制限される場合がある。
また、情報が過剰に提示されることで、ユーザーの意思決定が複雑化する可能性も否定できない。
企業側にとっては、購買データや対話履歴を活用した推薦精度の向上が期待されるが、同時に個人情報の保護やデータ活用の透明性確保が不可欠である。信頼性の高い運用がなければ、利用定着の進展も限定的になるだろう。
今後は、AI搭載アプリの普及が国内Eコマース市場の競争構造に影響を与える可能性もある。楽天の成功次第では、他社も同様のエージェント型AI導入を加速させ、業界全体で購買体験の個別化競争が本格化することが予想される。
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