大手証券トップが読む2026年日本株 業績とAIが相場を下支え

2026年1月5日、野村ホールディングスをはじめとする国内大手証券会社のトップが、東京で報道陣の取材に応じ、2026年の日本株は緩やかな上昇基調を維持するとの見通しを示した。
企業業績の堅調さやAI活用の進展が追い風となり、日本市場への投資環境は引き続き安定するとみられている。
大手証券各社、2026年の日本株は緩やかな上昇を予想
野村ホールディングスの奥田健太郎グループCEOは、日経平均株価が史上高値圏で推移する中でも、日本株はなお底堅く推移するとの見解を示した。
企業業績が堅調であることに加え、地政学的観点から日本市場の相対的な安全性が再評価されている点を理由に挙げた。コーポレートガバナンス(企業統治)の改善を背景に、海外投資家の関心も高水準で推移しているという。
同氏は、先行きについて「ボラティリティ(※)はあるが、堅調な推移」と述べ、投資需要が大きく変化する可能性は低いとの認識を示した。実際、5日の大発会では日経平均株価が大幅反発し、取引時間中に前営業日比1600円超高の5万2000円台まで上昇した。
年初からリスク選好の姿勢が強まっていることを印象づける動きとなった。
また、SMBC日興証券の吉岡秀二社長は、市場の構造について「二極化が進んでいる」と指摘した。AI関連銘柄には高い株価評価が付いている一方、それ以外の分野では過熱感は限定的だという。
具体的には、機械や防衛関連が堅調に推移しているほか、AI創薬への期待を背景に医薬品分野にも資金が流入しているという。さらに、AI活用の広がりを追い風に、情報通信分野でも強い展開が期待できるとの見方を示した。
大和証券グループ本社は、2026年の日経平均株価の高値を6万2000円程度と予想している。
荻野明彦社長は、来年度の企業業績が12%を超える成長を遂げるとの想定を示し、その成果が株価に反映されると指摘した。
貯蓄から投資への流れを定着させ、資本効率の向上を後押しすることで、日本経済の成長力を高めたいとの考えも示されている。
※ボラティリティ:株価や市場価格の変動の大きさを示す指標。数値が高いほど価格変動が激しく、相場の不確実性が高い状態を指す。
AI成長の恩恵と地政学リスク 相場の行方を左右する要因
今回の見通しが示す最大のメリットは、AI活用の拡大が中長期的な企業価値の押し上げ要因として期待されている点だろう。業務効率化や新規事業創出を通じて収益力が高まり、株価の下支えにつながる可能性がある。特定の成長分野に資金が集中することで、市場全体の活性化も見込まれる。
一方で、リスク要因としては地政学的緊張が挙げられる。米国によるベネズエラへの軍事行動について、野村は日本市場への直接的影響は限定的とみているが、米中関係や日中関係など、複数のリスクが同時に顕在化している点は無視できない。想定外の事態が起これば、市場の変動性が高まる可能性もある。
今後は、成長分野への期待と外部環境リスクを見極めながら、選別投資が一段と重要になると考えられる。AIを軸とした構造的な成長が続くのか、あるいは地政学要因が相場の重荷となるのかが、2026年の日本株市場の方向性を左右すると言える。











