PTC×ランボルギーニ、AI主導の製品開発はどう変わるか CES 2026で次世代PLMを公開

2025年12月18日、米PTCは伊ランボルギーニとの協業事例をCES 2026で公開すると発表した。AIを活用した製品ライフサイクル管理を実演し、設計から運用までを一体化する開発手法を示す。海外製造業における最新のAI活用事例として注目される。
PTCとランボルギーニ、AIで製品開発を一気通貫
PTCとランボルギーニはCES 2026において、製品開発の全工程を統合する体験型デモを行う予定だ。詳細設計にはCreo、要件定義とソフトウェア開発にはCodebeamer、製品データ管理にはWindchill、保守・運用にはServiceMaxを組み合わせ、単一の製品データ基盤上で連携させる。
両社が示すのは、設計、エンジニアリング、運用を分断せずにつなぐ「インテリジェント・プロダクト・ライフサイクル」の具体像である。製品に関わるデータを一元化し、AIを前提とした意思決定と最適化を可能にする点が特徴となる。
PTCのWindchillとCodebeamerを採用してきた。これにより要件から設計変更までのエンドツーエンドのトレーサビリティを確立し、エンジニアリング変更管理の効率化と部門横断の協業を進めている。
さらに複雑なエンジン設計にはCreoを活用し、CAD、PLM(※)、ALM(※)を横断的に統合。技術データへのアクセス性を高めることで、開発スピードを向上させながら、ブランドの象徴である性能と職人技を維持しているという。CES 2026では、新しいフロントバンパーを題材に、設計からフィールドサービスまでの全ライフサイクルを実演する計画だ。
※PLM:製品の企画、設計、製造、保守、廃棄までの情報を一元管理する製品ライフサイクル管理。
※ALM:ソフトウェア開発における要件定義から運用までを管理するアプリケーションライフサイクル管理。
製造業DXの加速装置に AI活用の利点と課題
今回の取り組みの大きなメリットとして考えられるのは、AIを組み込んだPLM基盤によって、開発スピードと品質の両立を目指せる点にある。要件整理や部品構成の最適化、保守作業の指示までをAIが支援することで、エンジニアや現場担当者の判断負荷を軽減できる可能性がある。
一方で、慎重に見るべき課題も存在する。製品データを広範に統合するには、既存システムの見直しや運用変更が求められるケースが多く、初期投資や組織的な負担が発生する恐れがある。また、AIの判断根拠が不透明な場合、品質保証や責任の所在が曖昧になるリスクも指摘されている。
それでも、自動車のようにソフトウェアの比重が増す産業では、AIを前提とした製品開発基盤の重要性は今後さらに高まるとみられる。
象徴的ブランドであるランボルギーニの事例は、製造業DXが構想段階から実運用へと進みつつあることを示唆するものと言える。
CES 2026で示される実演は、今後の製造業におけるAI活用の方向性を占う一つの指標になる可能性がある。
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