DeepSeek、半導体規制下でもAI競争へ 効率化論文で設計思想を提示

2026年1月3日、中国AIスタートアップのDeepSeekが、半導体規制下でも高度なAI開発を可能にする研究成果を公表したとブルームバーグが報じた。先端チップへのアクセス制限が続く中、中国AI産業が競争力を維持するための現実的な道筋が示された形だ。
DeepSeekが効率重視のAI訓練手法を論文で公開
DeepSeekはAI開発の効率化を主題とする研究論文を公表し、計算資源が制限された環境でも大規模モデルを構築するための枠組みを示した。論文は2025年12月31日付で公開され、同社創業者の梁文峰氏を含む計19名が共同執筆者として名を連ねている。
論文で紹介されたのは「マニフォールド制約付きハイパー接続」と呼ばれるフレームワークである。AI訓練時の計算量とエネルギー消費を抑えつつ、モデル規模の拡張を可能にする設計を志向しており、訓練時の不安定性やスケール拡大に伴う課題への対応が重視されたという。
DeepSeekはこれまでも主要モデル公開前に研究論文を発表してきた経緯がある。
約1年前には、低コストで高性能とされるAIモデル「R1」を披露し、その後も小規模モデルを継続的に投入してきた。現在は、春節前後に登場するとみられる次期主力モデル「R2」の動向が注目されている。
米国による先端半導体の輸出規制が続く中、中国のAI企業は従来型の開発手法を採りにくい状況に置かれている。今回の論文は、そうした制約を前提に設計思想そのものを再構築する姿勢を示した内容となった。
半導体規制時代のAI開発 効率化路線の可能性と課題
この手法が示唆する最大のメリットは、計算資源に制約がある環境でも競争可能なAI開発モデルを構築できる点だろう。高性能GPUの大量投入を前提としない設計は、新興国や資本力の限られた企業にとって現実的な選択肢となり得る。
一方で、効率化を重視する設計が常に最先端性能と両立するとは限らない。計算量削減を優先することで、汎用性や応用範囲が限定されるリスクも考えられる。
特に、マルチモーダルや推論能力の高度化では別の壁に直面する可能性がある。
それでも、この方向性は中国AI産業全体に波及効果をもたらすと見られる。
制裁や規制を前提条件として組み込んだ研究開発は、独自技術の蓄積を促し、長期的には国際競争における差別化要因となる余地がある。
今後の焦点は、効率重視の理論が実際のプロダクトにおいてどこまで成果を示せるかにありそうだ。制約を創意工夫で乗り越える姿勢が成果につながれば、AI開発の常識そのものを再定義する契機となるだろう。
DeepSeek mHC: Manifold-Constrained Hyper-Connections
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