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    新宿公衆電話ボックスにOpenRoaming対応Wi-Fi第1号 東京都とNTT東日本が整備

    東京都は2025年12月24日、新宿御苑駅前交差点付近の公衆電話ボックスへのOpenRoaming対応Wi-Fi整備が完了したと発表した。災害時の通信確保やインバウンド対応を目的に、都内全域での普及を目指す取り組みである。

    目次

    新宿で公衆電話ボックスWi-Fi整備、都内全域展開へ

    今回の整備は、2025年8月27日にNTT東日本と締結した「公衆電話ボックスを活用したOpenRoaming対応Wi-Fiの整備・普及啓発等に関する基本協定」に基づくもので、第1号の導入となる。
    周辺には避難所や避難場所が位置しており、災害時の通信多重化を意図している。

    東京都は2024年から2026年にかけて、「つながる東京」の3か年アクションプランの一環として、OpenRoaming対応Wi-Fiの都内全域展開を計画している。整備対象は主要駅や公園など、人が集まる場所を中心に3年間で約1,500か所への整備を目指す。

    OpenRoaming対応Wi-Fiは無線通信を暗号化し、対応アクセスポイントに自動接続される仕組みで、盗聴やなりすましリスクを低減する。
    国際規格に準拠することで、都内全域での通信安全性と利便性を確保し、観光客を含む多様なユーザーへの対応力を高める狙いがある。

    これまでにも都有施設への整備は進んでおり、都庁第二本庁舎など4か所でWi-Fi整備を行い、2024年度末までには859か所に拡大してきた。区市町村施設への支援も開始しており、175か所に財政支援を提供している。

    公衆Wi-Fi拡充の波及効果と課題 利便性向上とセキュリティ両立の重要性

    今回の整備により、都内の公衆Wi-Fi環境は観光客や都民にとって利便性が大きく向上する見込みだ。OpenRoaming対応により、複数事業者のアクセスポイントをシームレスに利用できるため、旅行者が手軽に通信環境を確保できるメリットがある。

    また、災害時には避難所周辺で通信手段が確保されることで、避難誘導や情報共有の効率化が見込まれる。多重化された通信インフラは、都市防災の観点からも有用性が高いと考えられる。

    一方で、整備エリアの拡大に伴い、運用面での負担が増すことも想定される。
    特に公衆電話ボックスの老朽化や電源確保、定期的なセキュリティ更新の体制構築が課題となる可能性がある。また、利用者の増加によりネットワーク負荷が高まり、接続の不安定化が生じるリスクも否定できない。

    今後は、Wi-Fi整備の拡大に加え、IoTや防災情報の活用と連携させた利便性向上策も検討されるだろう。セキュリティと利便性の両立を図りつつ、都民・観光客双方に安全で快適な通信環境を提供することが、政策の持続的な成果につながると考えられる。

    東京都 プレスリリース

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