Ubie、生成AIと業務ログで人事評価システムを開発 26年1月から運用

Ubie株式会社は生成AIで全社員の業務ログを集約し、評価素案まで作る人事評価システムを自社開発したと発表した。
2026年1月から運用を開始し、評価工数を減らしつつ納得感の向上を狙う。
業務ログをAI集約し評価素案を自動作成
2025年12月25日、Ubieは、生成AIを活用した新たな評価システムを自社開発し、2026年1月より運用を開始すると発表した。
Ubieが開発した新評価システムは、日々の業務で生じる「客観的な事実」を生成AIが網羅的に取りまとめ、活動サマリと評価のドラフトを自動で作成する点に特徴がある。
SlackやJira、Notion、顧客管理(CRM/SFA)や社内会議記録など複数ツールから情報を収集し、期初に設定した全社OKR(※)や個人目標に照らして実績を抽出する。
従来は四半期ごとに本人が成果を振り返り、資料を作る負荷が大きかったが、同社は「日々の仕事が自動的にデータベースに蓄積される」設計でこの工程を不要にするという。
さらに、蓄積データを基に生成AIが日常的な振り返りや助言を提示し、本人とAI、上長の対話を支える構図を描く。
期末の最終評価は人が決める。本人がドラフトを確認し、文脈や定性的貢献を補い、評価者が確定する流れだ。
同社は創業以来、人事評価の運用が事業のスピードや柔軟性を損なう懸念があるとして、全社での人事評価をあえて実施してこなかったという。
今回のシステムでは、生成AIの判断対象を客観的な業務ログに限定するアーキテクチャを採用し、ハルシネーションやバイアスへの配慮も盛り込む。
評価の根拠となる判定ロジックとプロンプトは社内に公開し、出力が実態と異なる場合はフィードバックで継続的に改善する仕組みも整える。
※OKR:組織・チーム・個人の目標と主要な成果指標をひも付け、進捗を定量的に追う目標管理の枠組み。
公平性と速度を両立する一方、監視と偏りの統制が鍵
評価の土台を「ログの集約」と「素案作成」に切り分け、人が意思決定に集中する設計は、拡大局面の組織にとって合理的と言える。
売上のような指標に表れにくい品質管理や支援行動まで拾えれば、貢献の見落としが減り、報酬や育成との接続も滑らかになる可能性がある。
管理職側も資料作成や調整に費やしてきた時間を、戦略実行や育成対話に再配分しやすくなるだろう。
一方で、評価基盤が「常時ログ」に寄るほど、監視されている感覚や心理的安全性の低下を招きうる。
ログに残りやすい行動が過大評価され、顧客対応や現場調整など“見えにくい仕事”が逆に埋もれるリスクもある。
また生成AIのハルシネーションやバイアスを避けるには、何をファクトと見なすか、欠損や誤差をどう補正するかといったガバナンスが要になるだろう。
今後は、人事領域に生成AIを実装する企業が増える中で、透明性とプライバシーを両立する運用設計が競争力の分水嶺になりそうだ。
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