鹿児島県霧島市でAI人材を地元育成し開発完結 DIVXが「霧島モデル」発表

AIを活用したサービス開発で企業や公共機関のDX推進を支援する株式会社divxは、鹿児島県霧島市に設置した拠点で、地元人材のみでAI開発を完結させる「霧島モデル」を確立したと発表した。
同社は本取り組みを通じて、地方で採用した人材をAI活用によって短期間で戦力化し、地域内で開発が完結する体制が実用段階に入ったとしている。
地元採用6人でAI開発を完結、霧島モデルを確立
2025年12月25日、divxは、鹿児島県霧島市の拠点「霧島ラボ」で、現地採用メンバーの育成を通じて開発まで完結する地方創生モデル「霧島モデル」を確立したと発表した。
divxは2023年に霧島市と立地協定を締結し、同年6月にサテライトオフィス「霧島ラボ」を開設した。
霧島市からの支援を受けて拠点運営を進め、地域に根ざした人材育成と産業連携の実証を継続している。
霧島ラボのメンバー6名は全員が霧島市で採用され、前職がエンジニア以外の人材も含まれる。
生成AIの活用を前提とした同社独自の育成環境と日次・週次の振り返りにより、要件整理から実装、アプリ申請までの全工程を単独で担った事例になったという。
開発では営業段階のヒアリングからAIを活用し、入力した要件をもとに試作品(プロトタイプ)(※)を短時間で生成するプロセスを採用した。
顧客と完成イメージを早期に共有し、認識のずれを減らした状態で開発を開始できるとしている。
実装フェーズではコード記述やテストの一部をAIが支援し、従来は1カ月以上を要した開発を最短約7日で完了した。
育成速度と開発効率は当社比で2〜5倍向上したとしている。
※プロトタイプ:完成版の前に作る試作品。画面や主要機能を簡易に形にして関係者へ提示し、要件の抜け漏れや解釈違いを早期に見つける。合意形成を進めたうえで本実装に入るため、手戻りの抑制に使われる。
地方DXを加速する利点と課題
本件は、地方で採用した人材を短期間で戦力化し、地域内で開発を完結させる運用モデルを提示した点に意味がありそうだ。
要件整理から申請までを一気通貫で担える体制が整えば、自治体や地元企業が必要とする機能を素早く形にし、改善を回すサイクルも組み立てやすくなるだろう。
一方で、AI支援による高速化は、設計の妥当性確認やテストの網羅性が追いつかないリスクを伴う。
特に、生成AIが出力した提案やコードをどこまで採用するか、責任の所在とレビュー手順を明確にしないと品質のばらつきが生じやすい。
振り返りによる知見共有や運用ルールの整備を継続できるかが、他地域へ展開する際の再現性を左右すると考えられる。
将来は、官民連携の枠組みを各地で運用し、採用・育成・開発の循環を広げられるかが焦点になるだろう。
地域ごとの課題や人材構成に合わせて育成設計を調整しつつ、同等の開発スピードと品質を維持できれば、地方発の開発拠点が増える可能性がある。
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