人材紹介特化のAI「MENDAN」、大手携帯3社回線と連携 電話面談を自動でCRM化し採用業務を支援

2025年12月25日、Zen office株式会社は、人材紹介特化のAIエージェント「MENDAN」がSoftBank・NTTドコモ・auの国内主要3キャリア回線に対応したと発表した。
日本国内のエッセンシャルワーカー採用などで主流となる電話面談を起点に、書類生成やCRM連携を自動化する。
携帯電話の面談を自動データ化、AIがCRM連携まで担う
Zen officeは、人材紹介AIエージェント「MENDAN」において、国内大手3キャリアのモバイル回線への正式対応をリリースした。
これにより、IP電話や専用アプリを使わず、従来の携帯電話による通話面談そのものをAIが取得・解析できるようになる。
介護、看護、物流、ドライバー、施工管理といったエッセンシャルワーカー領域では、就業環境の制約からオンライン面談よりも電話面談の比率が多く、70〜100%に達する人材紹介会社も少なくないという。
一方で、電話は長らくデータ化が進まず、面談後のメモ作成やCRM(※)への手入力が大きな負担となっていた。
こうした課題に対し、MENDANは通話音声を自動で文字起こしし、志向性や転職軸、応募意向など人材紹介に必要な情報を構造化する。
生成された職務経歴書や活動履歴はPORTERS、Salesforce、kintoneなど主要CRMと自動連携され、入力漏れや属人化の解消を図る。
※CRM:顧客関係管理システム。顧客情報や接点履歴を一元管理し、営業や採用活動の効率化を目的とする業務基盤。
エッセンシャルワーカー採用の効率化進む一方、運用設計が鍵
本連携により、人材紹介会社では月10〜15時間程度の工数削減や、CRMへのデータ蓄積率向上が期待される。
電話とオンライン面談を横断して管理できる点は、候補者理解の精度を高め、マッチング品質の底上げにつながる可能性がある。
一方で、AIが抽出・整理した情報をどのように最終判断へ活用するかは、各社の運用設計に委ねられる。
会話の文脈や微妙なニュアンスをどこまで評価指標に反映するかは、引き続き人の判断が重要になるだろう。
それでも、電話という「非構造データ」をAIが扱えるようになった意義は大きく、採用DXの領域を広める一手と言える。
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