AItegrity、パナソニック ホームズの積算業務をAIで高度化 建築技術センターの内製業務改革が進展

2025年12月25日、AI技術を活用した業務改革を手がけるAItegrityは、パナソニック ホームズ建築技術センター向けに、建築部材の積算業務を対象としたAIサービスを提供すると発表した。
日本国内の住宅建築分野において、人手依存が残る専門業務の効率化を狙う動きだ。
建築部材の積算チェックをAIで自動化へ
AItegrityは、パナソニック ホームズ建築技術センターに対し、内部部材積算チェックおよび外部部材集計業務へのAI適用を前提とした「準備評価サービス」の提供契約を締結した。
対象となるのは、架構体積算プロセスと内部部材積算・外部部材集計フローで、専門知識と人手に依存してきた領域である。
同サービスでは、現行の架構体積算や内部部材積算、外部部材集計の業務フローを詳細に可視化し、アナログ作業や属人化が生じている工程を特定する。
その上で、テキスト認識や画像認識を組み合わせた自動チェック・自動集計ロジックへの置き換えを検討する点が特徴だ。
準備評価の成果物としては、スコープ定義書やAI構築概要書、デモ計画、概算ROI算出シートなどが短期間で提示される。
2026年度の本格実装を見据えたAI基盤構想の策定を支援し、実運用への移行を円滑にする狙いがある。
住宅業界の生産性向上を後押しする一方、実装の難しさも
今回の取り組みは、慢性的な人手不足が指摘される住宅業界において、生産性向上の起点となる可能性がある。
積算業務の効率化が進めば、設計変更への対応速度向上や、ヒューマンエラーの低減につながると考えられる。
特に、大量の図面や仕様書を扱う現場において、AIによる補助の効果は大きいだろう。
一方で、建築積算は案件ごとの個別性が高く、AIモデルの学習データ整備や業務ルールの整理が導入の壁となる可能性もある。
現場担当者の暗黙知をどこまで形式知化できるかが、実装成否を左右すると言える。
AItegrityは「AIをIntegrity=誠実に」という理念を掲げ、業務理解を重視した段階的な導入を進める姿勢を示している。
2026年度の本格実装が実現すれば、住宅建築分野におけるAI活用の具体例として、他社への波及効果も期待できそうだ。
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