セイコーが暗黙知をAIで可視化 社内継承を支える「AIインタビュアー」追加

2025年12月22日、セイコーソリューションズ株式会社は、国内向け生成AIプラットフォーム「Seiko Futureworks」に、有識者の暗黙知を可視化する「AIインタビュアー」機能を追加すると発表した。経験に依存してきた専門知を組織資産として再利用可能にする取り組みだ。
有識者の暗黙知を抽出 AIが対話で思考を構造化
Seiko Futureworksは、企業固有のルールやナレッジを安全に反映できるAIレビュープラットフォームである。専門家の知見を反映した複数のAI人格との対話を通じ、要件定義書など高度なドキュメントのレビューを支援してきた。
今回追加される「AIインタビュアー」は、有識者へのインタビューを生成AIが担い、思考や判断基準、価値観といった暗黙知を整理・構造化する新機能となる。会話内容を基に、AIが次に尋ねるべき質問を自律的に提示し、単なるFAQでは到達しにくい深層の知識を引き出す設計だ。
具体的には、全体像の把握から重要論点を抽出し、CIT(※)と呼ばれる科学的手法を用いて段階的な深掘りを行う。プロセス型の質問構造により、回答者自身も思考を整理しながら語れる点が特徴とされる。
こうして抽出された知見は、Seiko Futureworks上で即座にAIエージェントとして反映可能で、組織全体で共有・再利用できる形に変換される。
※CIT:Cognitive Interviewing Techniqueの略。心理学的手法に基づき、段階的な質問によって思考や記憶を深く引き出すインタビュー技法。
知の属人化を防ぐ一方、運用設計が成否を分ける
AIインタビュアーの最大のメリットは、属人化しがちな経験知を組織知へ転換できる点にあると言える。ベテラン人材の退職や配置転換による知識断絶を防ぎ、人材育成や業務品質の平準化につながる可能性が高い。
一方で、暗黙知の可視化には限界も存在する。言語化された知見が実務でどこまで再現性を持つかは、質問設計やレビュー体制に左右されると考えられる。
また、AIエージェントへの過度な依存は、判断の硬直化や誤用リスクを招く恐れもある。
それでも、知識継承をAI主導で体系化する動きは、生成AI活用が実証段階から定着フェーズへ移行しつつあることを示す。今後は、製造やITに限らず、幅広い業種への展開が進む可能性がある。











