電通グループ、ChatGPT新機能対応の独自AIアプリ開発体制を始動

2025年12月23日、国内電通グループの3社が、米OpenAIの「Apps in ChatGPT」に対応する独自アプリケーションの開発体制を本格始動したと発表した。国内企業向けに対話型AIを活用したサービス構築を推進する取り組みである。
国内電通グループがChatGPT連携アプリの開発体制を構築
株式会社電通デジタル、株式会社電通、株式会社電通総研の3社は、ChatGPTの新機能「Apps in ChatGPT」の国内公開に合わせ、独自のアプリケーション開発体制を構築した。
本体制は企業のブランド課題に合わせ、ChatGPT上で対話型AIサービスを提供できることを目的としている。
背景には、顧客接点の多様化やデジタル体験の高度化が求められる現状がある。グループはこれまで、生成AIを活用したコンサルティング、クリエイティブ生成支援、オリジナルAI開発などを手がけ、企業のデジタルトランスフォーメーションを推進してきた。
「Apps in ChatGPT」は企業サービスやデータベース、外部APIをChatGPTに連携することで、顧客がチャット上で直接サービスにアクセスできる体験を提供する。商品情報や予約、ECサービスと接続することで、検索、購買、問い合わせ対応をワンストップで完結可能になる。
電通グループの開発体制は、事業課題に基づくアプリ設計、セキュアなデータ連携基盤の確保、生成AI活用知見の統合という3社の強みを融合する点に特徴がある。
国内公開後のアプリ提供に向け、ワークショップやPoC支援プログラムの展開も予定されている。
国内企業のAI活用拡大がもたらす機会と課題
今回の体制構築により、企業は生成AIを戦略的に活用できる機会が広がると考えられる。
自社データやサービスをAIに直接統合することで、従来のシステム制約を超えた新たな顧客体験の設計が可能となり、差別化されたサービス提供につながる可能性がある。
一方で、AIによる応答の正確性や安全性は企業運営上の重要課題となるだろう。誤情報やセキュリティ上の不備は顧客信頼に直結するため、ガバナンスや運用体制の整備が不可欠とみられる。
特に、個人情報や機密情報を扱う場合は法規制への対応も求められる。
さらに、導入に伴う業務プロセスの再設計や社員教育の負荷は無視できない。初期投資や運用コストは増加するが、長期的には業務効率の向上やAIによるデータ活用の高度化を通じて事業成長が期待できる。
総じて、国内企業がChatGPTアプリを活用するには、メリットとリスクを正確に把握し、運用体制を整備することが導入成功の鍵と言える。適切な設計と管理により、顧客体験の向上と業務効率化を両立させる環境を構築できるだろう。
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