ホワイトカラーからブルーカラー職へ転職、約4人に1人が年収増 AI台頭が不安要因に

レバレジーズ株式会社は、ホワイトカラー職からブルーカラー職へ転職した人の実態調査結果を公表した。
日本国内で520人を対象に実施された調査では、約4人に1人が転職後に年収増加を実現していた。AIの進展による将来不安が転職動機の一部となっている点も示されている。
ホワイトカラーから現場職へ転職、年収増は25.6%
2025年12月23日、レバレジーズが運営するエッセンシャルワーカー向けキャリア支援サービス「レバジョブ」は、前職がホワイトカラーで、現在ブルーカラー職に就く520人を対象に転職実態調査を実施したと発表した。
調査期間は2025年12月5日から8日までで、インターネットを通じて行われている。
前職の職種では「一般事務」が28.7%で最多となり、「営業職」が22.3%で続いた。
最終学歴は「文系大卒」が30.0%、「高校卒」が27.5%、「理系大卒」が15.0%となり、特定の学歴層に偏らない結果となった。
転職理由としては「前職でやりがいを感じられなかった」が23.7%、「ワークライフバランスを改善したかった」が23.3%で上位を占めた。
また、ホワイトカラー職の将来性について「非常に不安があった」「どちらかというと不安があった」と回答した人は合計で63.5%に達している。
不安要因では「将来的に市場での需要が減ること」が39.4%で最多となり、「自分のスキルや知識がAIに代替されること」も25.8%を占めた。
転職後の年収変化では、「増加した」と回答した人が25.6%となった。
年代別では20〜30代で約4割、40〜50代でも2割以上が年収増を経験している。
増加額は「50万〜100万円未満」が22.6%で最も多く、「100万円以上」も一定数確認された。
AI時代の職業選択、現場職再評価の一方で課題も
調査結果から、ブルーカラー職が収入や働き方の面で一定の選択肢となりつつあることがうかがえる。
特に若年層では、需要の高い職種へ移行することで年収増につながるケースが多く、従来の職業観が変化し始めている可能性がある。
一方で、ホワイトカラー職に対するAI代替への不安が転職動機となっている点は、労働市場全体にとって重要な示唆を含む。
業務効率化が進む中で、スキル更新や職種転換への対応が遅れた層が不安を強めている構図とも読み取れる。
ブルーカラー職における満足度の高さやワークライフバランスの改善はメリットとして評価できるが、肉体的負荷やキャリアの持続性といった課題も残ると言える。
今後は、職種間の移動を前提とした再教育やキャリア支援の整備が、個人と企業の双方にとって重要な論点となりそうだ。
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