OpenAI、「ChatGPT利用の1年」を可視化 個人向け年次まとめ機能を提供開始

2025年12月22日、米OpenAIは対話型AI「ChatGPT」の年間利用状況を振り返る新機能「Your Year with ChatGPT」を順次提供開始した。
2025年の利用傾向や統計を可視化する個人向けのサービスで、主に英語圏を対象にロールアウトされている。
OpenAI、ChatGPTの利用履歴を年次で可視化
OpenAIが発表した「Your Year with ChatGPT」は、ユーザーが2025年にChatGPTとどのように関わってきたかを振り返る、任意参加型の年次サマリー機能である。
会話内容そのものを再表示するのではなく、やり取りのテーマ傾向や利用頻度などを高い抽象度でまとめる点が特徴だ。
表示される情報には、年間を通じた利用状況の統計データに加え、対話から抽出された主要トピックが含まれる。
同機能は段階的に提供されており、Free、Plus、Proの各プランで利用可能だ。一方、Business、Enterprise、Edu向けプランは対象外となる。
利用にはChatGPTのメモリー機能(※)とチャット履歴参照設定が有効であることが条件で、一定以上の利用実績がないと一般的な統計しか出ないことが注意されている。
提供開始時点では、米国、英国、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドの英語環境に限定されている。
※メモリー機能:ChatGPTがユーザーの過去の指示や嗜好を記憶し、今後の応答に反映させる仕組み。設定によりオン・オフを切り替えられる。
生成AIとの関係性を見直す契機に 利便性とプライバシー
今回の年次まとめ機能は、生成AIを単なるツールとしてではなく、長期的な思考支援のパートナーとして捉え直す契機になりうる。
自分がどの分野でAIを多用してきたのかを俯瞰することで、業務効率化や学習投資の偏りに気づく可能性がある。
一方で、利用履歴の可視化が進むことへの慎重な見方も存在する。たとえ抽象化された形であっても、対話データの分析がユーザー体験の設計に影響を与える点は否定できない。
今後、対応言語や地域が拡大すれば、個人のAI活用を定期的に振り返る文化が広がる可能性がある。
OpenAIにとっても、利用者との関係性をより持続的なものへと進化させる試みと言えるだろう。
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