CHINTAI、AIが価値観を分析する「CHINTAIエージェント」提供開始 検索に依らない部屋探しを提案

賃貸情報サービスを展開する株式会社CHINTAIは、ユーザーの好みや暮らし方をAIが分析し、物件や街を提案する新サービス「CHINTAIエージェント」を正式リリースした。
条件検索を前提としない新たな住まい探しの仕組みを打ち出す。
CHINTAI、AI対話型の新サービスを正式リリース
2025年12月22日、CHINTAIは、AIがユーザーの価値観やライフスタイルを分析し、賃貸物件や街を提案する新サービス「CHINTAIエージェント」を公開した。
ユーザーはAIから提示される暮らしに関する5つの質問に回答することで、生活傾向の分析結果を受け取る仕組みとなっている。
結果はLINE上で提示され、暮らしの傾向を表すキャッチコピーとともに、「おすすめの物件特徴」や「あなたに合う街」が示される。
CHINTAIによると、本サービスは従来の家賃、間取り、駅距離といった条件検索では見つけにくかった選択肢を提示することを目的としている。
背景として、世界のインターネット利用者数が2024年に55.2億人に達する一方、Google検索回数が前年比で減少するなど、検索行動そのものが変化している点を挙げた。
情報量の増加により、条件を絞るほど選択肢が増え、判断が難しくなる傾向が住まい探しにも表れているとしている。
また、提案された物件に対して「いいかも」「うーん」と評価する機能を備え、AIがその理由を追加で質問する設計とした。
これにより、ユーザーの回答履歴をもとに提案内容が更新される。
AIは、CHINTAIが長年蓄積してきた賃貸市場データとユーザー行動の知見を基に構築したとしている。
部屋探しの体験価値を高める一方、理解促進が課題に
「CHINTAIエージェント」は、検索作業の負担を軽減し、利用者自身が言語化しにくい好みを可視化できる点がメリットとなる。
物件ごとにAIが生成するおすすめコメントでは、部屋の設備情報に加え、街の雰囲気や生活イメージを提示するため、比較検討の材料を増やす効果が期待される。
評価と対話を重ねる構造により、提案が段階的に調整される点も特徴と言える。
一方で、AIによる提案理由が十分に理解されなければ、判断材料として活用されにくい側面もある。
条件検索と異なり、選定基準が数値で示されにくいため、利用者が納得できる説明が不可欠となる。
提案の根拠や優先順位をどのように示すかが、継続利用を左右する要素となり得る。
今後、こうした対話型の住まい探しが浸透すれば、不動産情報サービスにおける役割分担にも変化が生じる可能性がある。
AIによる一次提案と、人による最終判断をどう組み合わせるかが、利便性と信頼性を両立させる上での焦点となるだろう。
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