楽天モバイル、法人向け音声解析AIを提供開始 営業・会議データ活用が高度化

2025年12月22日、楽天モバイルは国内法人向けに、音声データの録音・分析を行うAIサービス「MiiTel RecPod」と「MiiTel Meetings」の提供を開始した。
対面・オンラインの会話を可視化し、営業力強化や業務効率化を支援する狙いだ。
楽天モバイル、音声データ活用AIを法人向けに展開
楽天モバイルは、音声データを業務改善に生かす法人向けAIサービスとして、「MiiTel RecPod」と「MiiTel Meetings」を新たに提供する。
いずれも会話を録音し、AIによる文字起こしや分析を行う点が特徴で、営業や会議の内容を定量的に把握できるようになる。
「MiiTel RecPod」は対面での商談や打ち合わせを対象とし、スマートフォンで録音した音声をアップロードすることで議事録を自動生成する。
話速や発話比率といった指標を数値化し、話し方の改善点を可視化できる点が強みだ。
感情認識やキーワード分析も備え、会話の傾向を定量的に把握できる。
一方、「MiiTel Meetings」はオンライン会議向けのサービスで、話者分離による文字起こしや議事録作成を通じて認識の齟齬を防ぐ。
両サービスは分析基盤「MiiTel Analytics」と連携し、音声データを継続的な改善に生かす仕組みを構築している。
営業DXを後押しする一方、データ活用リテラシーが鍵に
今回の提供開始により、法人は対面・オンラインを問わず会話データを一元管理できるようになる。
議事録作成やCRM更新を自動化することで、会話後の事務作業が軽減され、現場は本来の業務に集中しやすくなるだろう。
特に営業分野では、経験則に依存してきた育成プロセスをデータに基づいて改善できる点が大きなメリットと言える。
一方で、音声データの分析結果をどう解釈し、行動改善につなげるかは企業側の運用に委ねられる。
AIに感情表現や改善内容などの指標において依存しすぎることは、人間同士のコミュニケーションよりもAIの評価を気にするようになる恐れもあるため、意識したうえでの運用が必要だろう。
楽天モバイルは「AIの民主化」を掲げ、法人向けAIサービスの拡充を進める方針だ。
通信事業に加え、業務データ活用まで踏み込む動きは、国内企業のDXを加速させる可能性がある。
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