Canva Japan、独自キャラクター「とくめいとななし」を国内提供開始

2025年12月19日、Canva Japanは初の自社開発キャラクター「とくめいとななし」の素材およびテンプレートをプラットフォーム上で提供開始した。無料ユーザーを含む全利用者が利用可能で、今後さらに拡張される予定である。
誰でも使えるフリー素材キャラクターを国内展開
Canva Japanが提供する「とくめいとななし」は、ゆるやかな輪郭で描かれた男性「とくめい」と女性「ななし」で構成される。固定された性格や背景を持たないため、さまざまなシーンに自然に馴染み、利用者が自由に意味を付与できる点が特徴である。
今回公開されたのは、5,000点の素材と200点のテンプレートで、無料ユーザーも含めすべての利用者が活用できる。今後は追加で20,000点の素材と新作テンプレートが順次展開される計画だ。
背景には、Canvaが教育、ビジネス、行政、個人など多様なユーザー層に対応する中で、特定のジャンルに依存しない素材の需要が高まっている事情がある。
Canva Japanはこうしたニーズに応える形で、従来のキャラクターIPとは異なる汎用性の高いデザインを提供することにした。
また、キャラクターIPとしての展開も進められ、村瀬範行氏による漫画が小学館の新雑誌「コロちゃお」に登場し、ウェブサイトでも連載が開始される。漫画では毎話設定が変化する「とくめいとななし」を用い、素材としての特性を活かした物語が描かれる。
自由度の高いキャラクター素材が創造性を拡張する可能性
今回の素材公開により、ユーザーの創造性を高める効果が期待できる。
固定された設定を持たず、用途や文脈に応じて変化できるキャラクターは、ビジュアル表現の自由度を大幅に向上させる。特に教育資料や広告、SNSコンテンツでの多様な活用が見込まれる。
一方で、汎用性が高いことは逆に、ブランドやストーリー性を求める場面では物足りなさを感じる可能性がある。強い個性や背景を持つキャラクターに比べ、特定の物語や印象をユーザーが伝えにくい側面もあると考えられる。
今後は、素材としての「とくめいとななし」を起点にした新しいデザイン文化の形成が予測される。クリエイターがキャラクターに自らの意味を付与し、視覚的に多様な物語を構築できる環境が広がるだろう。
さらに、漫画や教育、ビジネスでの利用を通じて、国内市場におけるキャラクター素材の利用範囲も拡大していく見通しだ。多用途性と親しみやすさが組み合わさることで、デザイン表現の新しい手法として定着する流れが強まると見られる。
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