PayPayがJRA「即PAT」と連携 競馬資金の入出金がスマホ決済で完結

2025年12月19日、PayPay株式会社は、日本中央競馬会(JRA)のインターネット馬券購入サービス「即PAT」とPayPayの連携開始を発表した。
国内の競馬ファン向けに、馬券購入資金の入金や払戻金受け取りをスマホ決済で完結させる仕組みが整った。
即PATとPayPay連携、入金と払戻金受取に対応
PayPayは2025年12月19日18時30分より、JRAが提供する「即PAT」との公式連携を開始する。これにより、即PATの馬券購入資金をPayPayマネーから直接入金できるほか、的中時の払戻金や即PAT内の残高をPayPayマネーとして受け取ることが可能になる。
これまで必要だった銀行口座経由の手続きが簡素化され、スマートフォン上で資金管理が完結する体制が整った。
払戻金の受け取りには、PayPayが提供する「振込チャージ」への申し込みが必要となる。即PATから出金した資金のうち、最大100万円まではPayPayマネーとして即時反映され、残高上限を超える分は、あらかじめ登録した本人名義の金融機関口座へ手数料無料で振り込まれる仕組みだ。
即PATはJRAのインターネット投票サービスとして長年利用されてきたが、PayPayとの連携により、キャッシュレス決済との親和性が一段と高まる。
特にスマホ決済に慣れた若年層やライトユーザーにとって、競馬参加の心理的ハードルを下げる効果が期待される。
今回の連携は、2025年12月28日に開催される有馬記念が近いタイミングでもある。同日までの「即PAT」新規加入者を対象に、条件達成でPayPayポイント2,000円分を進呈するキャンペーンが実施されている。
加えて、有馬記念優勝馬をデザインしたPayPayのカードきせかえ配布など、エンタメ性を意識した施策も展開されている。
有馬記念前の利便性向上、集客効果と依存リスク
今回の連携による最大のメリットは、競馬参加のハードルが下がる点にある。
PayPayは国内有数のキャッシュレス決済基盤であり、日常的に利用しているユーザーにとって、競馬用の資金管理が直感的になる効果は大きい。特にライト層や若年層への訴求力は高まると見られる。
一方で、即時性の高いスマホ決済と公営競技の結合には慎重な視点も必要だ。
利便性の向上が過度な利用につながらないよう、ユーザー側の自己管理意識と事業者側の注意喚起が求められる。
将来的には、PayPayを起点とした公営競技や公共サービスとの連携がさらに広がる可能性もある。
今回の即PAT対応は、決済アプリが金融インフラとしてどこまで生活領域に浸透できるかを占う一例と言えるだろう。
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