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    米政権、エヌビディアAI半導体H200の中国輸出を調査開始 海外メディア報道

    2025年4月、米国でトランプ政権がエヌビディア製AI半導体「H200」の中国向け輸出を巡る政府調査を開始したことが分かった。米政府関係者の情報として海外メディアが報じており、先端AI半導体の供給が再び政治判断の俎上に載せられている。

    目次

    米政府、エヌビディアH200の対中輸出を正式調査

    トランプ米政権は、米半導体大手エヌビディアのAI向け半導体「H200(※)」が中国に初出荷される可能性を受け、正式な政府調査に着手した。
    関係者によると、輸出管理を所管する米商務省が販売ライセンス申請書を受理し、国務省、国防総省、エネルギー省など複数の関係機関に審査を要請しているという。

    H200は、同社の中で2番目に先進的なAI向け半導体とされる。
    トランプ大統領は今月、このH200の中国販売を認める方針を示し、売上に対して25%の手数料を徴収する考えを表明した。中国製半導体への需要を抑えつつ、米企業の技術的優位性を維持する狙いがあると説明されている。

    一方、この判断は対中強硬派から強い批判を招いた。中国政府が軍事力やAI能力を強化する結果につながり、米国の安全保障を損なうとの懸念が背景にある。
    審査は30日以内に各省庁の判断が示される規定だが、最終決定権は大統領にあり、政治的判断が色濃く反映される構図となっている。

    ※H200:米エヌビディアが開発したデータセンター向けAI半導体。生成AIや大規模言語モデルの学習・推論用途を想定し、高性能GPUと高速メモリを組み合わせた設計が特徴とされる。

    条件付き容認の功罪 AI半導体供給の行方

    今回の動きは、AI半導体を巡る主導権を米国が握り続けようとする姿勢を示すものと受け止められている。
    条件付きとはいえ輸出を認めることで、エヌビディアは中国市場との接点を一定程度維持でき、米政府も手数料や許認可を通じて影響力を及ぼせる余地が生まれる可能性がある。
    市場を完全に遮断するよりも、現実的な選択肢と見る向きがあるのも事実だ。

    一方で、デメリットが顕在化する可能性も否定できない。
    中国側が購入を許可しなければ取引は成立せず、政治的な判断が企業活動を左右する不確実性は高まる。また、こうした制約が中国国内でのAI半導体自立を後押しし、結果として米企業の中長期的な市場機会を狭めるとの見方もある。

    今後は、AI半導体の価値が性能や価格だけでなく、「どの国に、どの用途で供給できるか」といった政策判断に左右される局面に入る可能性がある。H200を巡る今回の調査は、米中のテクノロジー覇権争いが、研究開発にとどまらず供給網全体へ波及しつつあることを示唆する事例と言える。

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