モスフードサービス、AI活用DXで次世代店舗を共同開発 New Innovationsと

2025年12月18日、モスフードサービスはAI活用による次世代型店舗開発を加速させるため、New Innovationsとのパートナーシップ締結を発表した。国内約1,300店を対象に、店舗オペレーションと顧客体験の進化を同時に狙う日本発の取り組みである。
モス、AIとロボで次世代店舗モデルを共同開発
モスバーガーを展開するモスフードサービスは、AI活用による次世代型店舗開発に向け、New Innovationsとパートナーシップを締結した。
国内約1,300の既存店舗を視野に入れ、AI・生成AI、ロボティクス、店舗DXソリューションを段階的に研究・導入していく。
具体的には、AIドライブスルー(※)などを含む次世代店舗モデルの共同設計、接客における生産性向上と顧客価値の両立、厨房やバックヤードの機械化・効率化が検討対象となる。
効率性や収益性の改善だけでなく、顧客満足度と従業員満足度の双方を高める点が狙いだ。
モスフードサービスは「おいしさ、安全、健康」を軸に、アフターオーダー方式や真心を重視したサービスを続けてきた。
今回の取り組みは、その理念を維持しながら、将来の店舗運営を見据えた高度化に踏み出す動きと位置付けられる。
パートナーであるNew Innovationsは、OMO(※)を主軸に全自動調理ロボットやスマートコーヒースタンドを展開してきた実績を持つ。
※AIドライブスルー:注文内容をAIが解析し、応答や処理を自動化する仕組み。待ち時間短縮や注文精度向上を目的とする。
※OMO:オンラインとオフラインの顧客接点を統合し、一貫した体験価値を提供する考え方。
外食DXの加速剤か 効率化と価値維持の両立が焦点
本パートナーシップのメリットとして注目されるのは、人手不足が深刻化する外食産業において、業務効率とサービス品質の両立を図れる可能性がある点だ。
調理や注文対応の一部をAIやロボットに委ねることで、従業員が接客や品質管理といった付加価値の高い業務に注力できる余地が生まれると考えられる。
一方で、課題として想定される点も少なくない。
AI導入には初期投資や運用コストが伴い、現場で十分に活用されなければ効果が限定的にとどまる可能性がある。ま
た、自動化を進める過程で、モスの強みとされてきた「人の温度」をどう維持するかは慎重な設計が求められる。
今後は、人とAIの役割分担をどのように設計するかが重要な論点となるだろう。
効率化のみを目的とするのではなく、ブランド価値を支える接客体験をどう進化させるかが、取り組みの評価を左右する可能性がある。
モスの事例は、外食DXが実証段階から実装段階へ進む過程の一例として位置付けられるかもしれない。
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