三菱重工業がAI面接官を導入 初期選考をAIと共創で再構築

2025年12月18日、採用AIを手がけるVARIETASは、三菱重工業が同社の「AI面接官」を導入すると発表した。評価の再現性と公平性を高める狙いだ。
三菱重工業、初期選考にAI面接官を正式導入
今回導入が決まった「AI面接官」は、エントリーシートの読み取りから一次面接までをAIが担う、大手企業向けの採用プラットフォームである。候補者はAIと対話形式で面接を行い、その内容をもとに評価が行われる仕組みだ。
三菱重工業は本導入により、選考初期フェーズで再現性のある評価基盤を構築する方針である。
AI面接官は、経済産業省が定める「社会人基礎力(※)」を評価の基準に据えている。
学歴や職歴といった表層的な情報に依存せず、思考力や行動特性を多角的に分析できる点が特徴だ。
また、評価結果は数値データとして蓄積され、採用プロセス全体の可視化や改善にも活用される。属人的になりがちだった採用判断を、データドリブンに転換する狙いが明確に示されている。
VARIETASによれば、「AI面接官」は提供開始から約半年で複数の大手企業に導入されている。即日導入が可能な設計と、既存の採用フローに組み込みやすい柔軟性も、普及を後押ししている。
※社会人基礎力:経済産業省が提唱する、前に踏み出す力、考え抜く力、チームで働く力の3要素から成る能力指標。業種や職種を問わず求められる基盤的スキルとされる。
効率化と公平性は両立するか AI採用の可能性と課題
三菱重工業の事例からは、採用業務の効率化と評価の公平性を同時に追求できる可能性が読み取れる。
初期選考をAIに委ねることで、採用担当者が最終判断やより深い対話に注力しやすくなる点は注目に値する。人的リソースの最適配分という観点でも、一定の効果が期待される。
また、評価基準が明文化・数値化されることで、候補者側にとっても「何を見られているのか」が可視化されやすくなる。こうした設計は、納得感のある選考体験につながる可能性がある。
一方で、AI評価への過度な依存については慎重な検討が求められる。評価ロジックや学習データの設計次第では、意図しないバイアスが生じるリスクも否定できない。
AIは万能な審査官ではなく、人の判断を補完する存在として位置付けることが重要になる。
今後は、AIが初期選考を担い、人が最終判断を行う分業型モデルが一つの有力な形として広がる可能性がある。三菱重工業の導入は、採用におけるAI活用が実験段階から実装フェーズへ移行しつつあることを示す象徴的な動きの一つと言える。
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