Google、Gmail連携のAIエージェント「CC」実験開始　毎朝届く1日の予定要約

2025年12月16日、米Googleは、GmailやGoogleカレンダーと連携し1日の予定を要約する実験的AIエージェント「CC」を発表した。
Google Labs発の新機能で、生成AIを活用した生産性支援の新たな形を提示する。

Google、1日の予定を統合要約するAI「CC」公開

CCはGoogle Labsが開発した実験的なAIエージェントで、Gmail、Googleカレンダー、Googleドライブなどと接続し、ユーザーの1日を俯瞰した「Your Day Ahead」ブリーフィングを毎朝メールで届ける。
基盤モデルにはGemini（※）が用いられ、予定、タスク、関連情報を一つの要約に統合する仕組みだ。

この要約では、会議や締め切りだけでなく、請求書の支払いや準備すべき用件など、次に取るべき行動が明示される。
必要に応じてメール下書きやカレンダーリンクも自動生成され、即座に行動へ移れる点が特徴だ。

さらに、ユーザーは返信やメール指示を通じてCCに追加要望を出せる。個人の好みやToDoを覚えさせることも可能で、日常業務に合わせて振る舞いを調整できる設計だ。
現在は米国・カナダの18歳以上を対象に、Google AI Ultraなど有料プラン利用者向けの早期アクセスとして提供が始まった。

※Gemini：Googleが開発する生成AI基盤。テキスト、コード、画像などを横断的に処理できるマルチモーダルモデルで、同社の各種AIサービスの中核を担っている。

AIが意思決定を代行　利便性と依存の両面

CCの登場は、個人の時間管理をAIが半自動で担う流れを一段進める可能性がある。複数サービスに分散した情報を統合することで、確認作業の負担が減り、判断の初動を早められる点は大きな利点と言える。
特に知的労働者にとって、朝の段取りを短時間で把握できる価値は高いだろう。

一方で、メールや予定といった個人データを横断的に扱うことへの懸念も残る。
実験段階とはいえ、AIへの依存が進めば、判断力の外部化やプライバシー管理の難度が増す可能性がある。

GoogleはCCをあくまでLabs実験として位置づけており、今後の正式展開や地域拡大は未定だ。
ただし、生成AIが「考える」だけでなく「1日を設計する」役割へ踏み込む試みとして、同社の生産性戦略を占う指標になると考えられる。

ニュースリリース

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