JCBと日本IBMがAI開発で連携 生成AIが金融基幹システムを変える

2025年12月17日、JCBは日本IBMとAIパートナーシップを締結したと発表した。生成AIを活用し、基幹システム開発の生産性と品質を同時に高める狙いだ。
JCB、生成AIを「開発の共同パートナー」に
JCBは日本IBMと協業し、AIを活用した基幹システム開発の改革に乗り出した。
金融業界における競争力の強化と、新たな価値創出を目指し、AIを利用した生産性の改革に取り組む。
本提携では、日本IBMのコンサルティング力と生成AI基盤「watsonx」を活用し、設計から開発、テスト、運用までの全工程にAIを組み込む。
AIを単なる補助ツールではなく「共同パートナー」と位置付ける点が特徴だ。
watsonxはIBMが提供するAI製品ポートフォリオで、主要なワークフローにおける生成AIの効果を加速し、生産性を向上させる。
信頼性の高い企業データと管理されたプロセスによって、透明性の高いAIを構築できることが強みだ。
具体的なユースケースとしては、外部設計書からCOBOLコードや詳細設計書を生成するほか、単体テストやブラックボックス観点のテストケースを自動作成する。
さらに、500を超える提携先ごとのI/F仕様や業界規制に対応したテストデータ生成も行う。
これらの取り組みにより、一部システムでは設計からテスト工程で約20%の開発効率化を達成したという。
金融IT開発の新モデルに期待と課題
今回のパートナーシップは、金融機関のIT開発モデルそのものを変える可能性を持つ。
人材不足が深刻化する中、生成AIによる生産性向上は、次期システム更改や複数案件の並行推進を現実的にするだろう。
一方で、リスクも無視できない。
AIへの過度な依存は、ブラックボックス化を招く恐れがある。そのため、生成AIが出力する設計やコードの妥当性をどう検証するか、説明責任をどう確保するかについては引き続き人間側の統制が必要だろう。
JCBは今後、自然言語による要件定義やコードレビューなど、より高度なAI活用も視野に入れるとしている。
これが定着すれば、金融IT開発はより再現性のある形へ近づく可能性がある。
国内カード決済を支える基幹システムでの実績は、他の金融機関や大規模企業にも波及するだろう。日本発の金融IT革新として、今後の展開が注目される。
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