京セラみらいエンビジョン、ローカル5GとAI活用のクマ対策 接続検証に成功

京セラみらいエンビジョン株式会社は、ローカル5GとAIを活用したクマ対策ソリューションのエンドツーエンド接続検証に成功したと発表した。
IPカメラ映像の伝送からAI解析、LINEによる警報通知までの一連の動作が正常に成立することを実証している。
クマ対策AIとローカル5Gの接続検証に成功
2025年12月16日、京セラみらいエンビジョン株式会社は、株式会社アイムービックおよび株式会社Core-Supportと共同で、クマ対策AIソリューションとローカル5G(※)システムの接続検証を12月9日に実施したと発表した。
検証は、ローカル5Gネットワークを介した映像伝送とAI解析の連携を確認することを目的としている。
本検証では、Core-Supportが設置したIPカメラで撮影した映像を、京セラみらいエンビジョンのローカル5Gラボ内に構築したローカル5G回線を通じて、アイムービックが提供するクマ対策AIサービス「クマミるAI」へ伝送した。
AIによるクマ検知が問題なく行われることを確認している。
さらに、映像の取得から通信、AI解析、警報通知までを一連の流れとして検証した。
クマを検知した際には、事前に登録されたLINEアカウントへ自動で警報が送信される仕組みが正常に動作することを確認している。
これにより、エンドツーエンドでの連携が成立することが実証された。
背景として、2025年秋にかけて東北地域を中心にクマの目撃・出没件数が増加し、全国各地で人的被害が報告されている。
自治体では、従来の注意喚起や巡回対応のみでは対応が難しくなっており、危険を迅速に把握するための技術導入が求められていた。
※ローカル5G:企業や自治体などが特定のエリア内で独自に構築・運用できる第5世代移動通信システム。低遅延かつ安定した通信が特徴で、産業用途や防災分野での活用が進んでいる。
地域安全に寄与する一方、導入と運用には課題も
今回の検証結果から、ローカル5GとAIを組み合わせることで、自然環境下における危険監視を自動化できる点がメリットとしてあげられる。
人の常時監視が難しい山間部や生活圏周辺でも、映像とAIを活用した早期検知が可能になるため、住民への注意喚起を迅速に行える可能性がある。
一方で、ローカル5Gの構築には設備投資や免許取得、運用体制の整備が必要となるだろう。
特に小規模自治体では、コストや人材面での負担が導入の障壁になることも想定される。
また、AI検知における誤検知への対応や、警報を受け取った後の行動指針をどう定めるかも重要な検討事項と言える。
今後、実証フィールドの拡大が進めば、地域特性に応じた運用モデルの整理が進むと考えられる。
クマ被害という社会課題に対し、通信技術とAIを組み合わせた本取り組みが、どこまで実装段階へ進めるかが注目される。
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